この連載は、milestoneについてのアレコレを、三人(西岡・吉田・ハルカ)に(#水曜ぶどう坂練 で出会った)ライターの萩原が聞いて深堀りする、架空のポッドキャスト番組です。

暑い夏がはじまりましたね。さて今月は?



・8月1日は、独立記念日。



西岡(以下、西):今月は新製品のネタがないのです。代わりに「milestoneの日」について紹介しようかと。

大森(以下、遥):去年もmilestone's weekをやりましたよね。

西:つまり、週間マイルストーン?

吉田(以下、吉):ややこしい(笑)ポッドキャストは週刊マイルストーン.comです。今年は一日だけです。

西:ちょうど8月1日が土曜日なんです。製品タグにもある通り「81」はmilestoneにとって特別な数字なんです。実はですね、われわれは脱皮するんです。

萩原(以下、萩):脱皮?!

西:8月1日に冨士灯器株式会社から独立します。現状はmilestone事業部という形で動いていますが、今回は別会社「株式会社milestone81」になります。二、三年前から考えていたことではあったんです。お客様からしたら何も変わらないですけどね(笑)

吉:せっかくなら、ここmilestone TERADACHOでお祝いというか催事をしようかと。

遥:「milestone」独立記念イベントですね!

西:出し物は、コインゲームです。フィッシングショーとか過去にイベント出店してた時に使ってた大きな水槽があるんです。水を張って、そこにmilestoneのコインを落とします。すると水の中をゆらゆら揺れて、底にある小さなグラスに向かって落ちていきます。もし、グラスにコインが入ると...?

遥:おっと!それは来てからのお楽しみで…!

西:とにかくオトクな特典です。税込5,500円以上お買い上げの方にコインを三枚お渡しします。

遥:三枚ともハズレの場合も参加賞をブレゼントさせて頂きます。

萩:これはなかなかレアな機会なのでは。

吉:ほかには、ポッドキャストの公開収録を行います。ただいまe-moshicomから参加受付中です。

西:やったことないけど、やってみたいことではあったし。おかげ様でリスナーさんも増えてきているので、やってみる価値はあるかな。

遥:当日は申し込みの時に募集したお便りを何通か読む予定です! あと、タコスも楽しみ。

西:そうなんです。寝屋川にあるADO(アド)というタコスの名店が来てくれます。三年前のmilestone TERADACHOのオープニングレセプションでケータリングをしてくれたんやけど、それ以来かな。お祭りなので、僕の好きなDJ $ERA(セラという二十代のプロのDJをブッキングしてます。

吉:せっかくやから、一緒にお祝いしてもらえせんか?って感じですね。

西:創業記念祭やね。2014年からブランドを始めて、まさか独立するとは思ってなかったけど。ひとりで八年くらいやって、そこにヨッシーが加わって、更にハルカが加わって、いい感じにそれぞれ役割があって、チームとして形になってきたと思う。僕は今年五十歳でもありますし、節目のちょうどいいタイミングかなと。ブランド創業十二年目、milestone TERADACHOは三年目、そして会社として一年目を始めます。



・変えてきたこと



吉:変わるとしたら、社内的なことですよね。今まで一事業部だったから、経理や人事とかその辺のことをしなくて良かったんです。そこの業務が増えるから、僕らはより「元気」になりますね(笑)

西:そこはまず俺がやることになるんやけど、ちょっと計り知れへんな。やってみないと。

吉:やってみてから、適材適所で。だって僕がDJしたらおかしくなりますやん(笑)もう一人必要になるのか、外部委託が必要になるのか。

西:忙しくなるかな?

吉:ペーパーワークが増えるでしょうね。睡眠時間削ったり、今の業務に手が回らなくなると良くないから。分け合って助け合っていきましょう。

西:僕の考え方として、先ずは何でも自分でやってみて、できることは自分らでやりたいから。不安というよりは楽しみの方が大きいし。

吉:デメリットとしたら、雑務が増えることですけど、メリットは、よりやりたいように出来ますよね。今までもそうでしたけど。

西:例えば、水曜日はアクティブレストで朝から山に行き、たくさん汗をかいたので昼から風呂行ったりすることもあるけど、結果が出てたらそれはOKやと思うねん。ずっとオンは無理やから、オンとオフのメリハリは大事。オンの時は本気でオンにせなあかんしね。

吉:これで、ハルカもUTMB行き易くなるんちゃう。もし行くなら2週間くらいかな?

西:1ヵ月くらい行ったらいいよ(笑)

遥:ありがとうございマス!

吉:これ文字に残りますからね。後で何であんなこと言うたんやろ?って言っても知りませんよ(笑)

西:ハルカ! お願い、帰って来て! って言うかも(笑)

遥:走ってるからすぐ帰れないですよ。

西:まず先に社屋が分かれたことで、だいぶ自由度が高くなったな。短パン穿いて帽子被って仕事してるなんて、普通はないやろ(笑)

吉:サンダルで仕事してませんでしたよね。入社当初は、スラックスにカッターシャツをタックインして、ウールのカーディガンを羽織って仕事してたんやから。

遥:ええー?! 西岡さんの恰好は?

吉:シャツはタックアウトしてましたよね。

西:ちょっとずつ外そうとしてたから。髭も(笑)でも俺の中では見た目で判断されるのはちゃうと思ってたから。やることはちゃんとやろうと常に心掛けてたし。

遥:今じゃ考えられないですね。Tシャツ&短パンが普通になってるので。

西:良かったと思う。社屋を分けてのびのびできてるし、「ちょっと眠たいので寝ます」とか(笑)

吉:それは100マイルレース走った翌日ですね。最近はないですけど。

西:そんなん全然寝てくれていいし。だってそういう仕事やから、俺ら。前は月曜朝8時半にラジオ体操があったから、絶対に間に合うように帰ってきて、朝礼出て、そこから仕事してたやん。それはしんどいやん。だからそこは臨機応変にできるようになって良かった。

遥:有難いです。

西:トレイルランニングやアウトドアアクティビティをやって、俺もそのしんどさも楽しさも分かってるから。そうなるわなっていうのが分かるし。やってなかったら、週末遊んで来たんやろ? 仕事中寝る? とかなるやん(笑)そこは大きいかな。遊ぶときは遊ぶ、やるときはやるスタイルで。”ダイヤモンドブラック企業”って冗談で言うてるけど、大変なとこもあるけど、ええとこもあるんじゃないかな?ウチの会社は。



・きっかけは



吉: そもそも。 なんでmilestoneを始めたんですか? 西岡さんは登山とかもやってなかったんですよね。

 西:まったく。登山の「と」の字も知らんくらい(笑)稼業が釣りをメインにしたヘッドランプをやってたから、海で使えるいうことは、山でも使えるやろうと。 

萩:きっかけは何かあったんですか?

西:うちの姉夫婦にキャンプに連れて行ってもらったことがあって。生まれて初めてのちゃんとしたキャンプ。十五家族ぐらいでキャンプ場を貸し切って。子供達だけでも二、三十人おったんちゃうかな。家族ぐるみでテントは一家に一張りみたいな。そのキャンプが、めちゃくちゃ面白かったんよ。

萩:大人も子供も絶対楽しいやつですね。

西: 外で食べるとご飯も美味しい、お酒も美味しい、 音楽も流し放題。 キャンプの楽しさを教えてもらった。これまでZEXUSっていうブランドでやってきたノウハウがあったから、 アレンジしてキャンプにいいんちゃう?と思ったんよね。 

吉:登山というよりは、アウトドア全般向けって感じですね。

西:そう、広く。2014年にmilestoneとしてブランドは動き始めるんやけど、ヘッドランプ五種類からスタートして。最初は問屋さんと二人三脚で全国のショップを、ほんまに北から南まで全部回ったんよ、百店舗ぐらい。 何をするかというと売り場作り。什器をはめてデモ機を置いて、その下にパッケージを綺麗に並べて。

西:そこから登山の人にも徐々にブランドを知ってもらえるようになっていった感じかな。でも、その時も全く登山もしてなかったし、もちろん、トレランも。だから今より10キロぐらい重いし、お腹もポコッてなってた。キャンプ好きでお酒好き、音楽好きなオッサンやったね(笑)

吉:まだ三十代の頃の話ですね。

西:その頃からカタログとかプロモーションビデオとかは作り込んでたし。カルチャー的な要素は結構入れてたかな。

萩:カタログのコンセプトは今でも踏襲してますよね。

西:梅田にグランフロントが出来て、そこでヘッドランプの講習会を兼ねたポップアップをやったことがあって。 電球色が何故良いかっていう説明をして。お客さんが十人ぐらいいたかな。その時、ランニングウエアの姿の国分さやかさんが通りがかって。これから「キャノンボール」っていうレース(六甲全山縦走路)を走りますって言うんよ。当時はトレイルランニングってよく知らなかったから「マジ?」って。MS-E1っていうヘッドランプがあったんやけど、「これが一番使いやすいかも。良かったら使ってください」って連絡先交換して。 その後「良かったです。でもちょっと重いかな」って連絡をくれて。もし、トレイルランニングに興味あるなら、私の友達で「ドイちゃん」って人がいるから、紹介したいって言ってくれたんよね。

遥:土井さん(土井陵選手)は当時から既に「世界の土井さん」だったんですか? 

西:2015年のUTMB(ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン)で11位っていう記録を残してたからね。一緒にトレイルランニングのためのヘッドランプを作ろうって、MS-F1 :Trailmasterの開発に取り掛かるんよね。それが2016年。

吉:やっぱりそこがターニングポイントですね。

萩:Trailmastarの開発については、「おしマイ」第1回で詳しく聞かせてもらいました。

西:絶対売れると自信持って作ったヘッドランプやったけど、売上的には期待通りではなくて。 社長である兄貴に「どうすんねん、これ」ってプレッシャー掛けられて「ヤバい」ってなって。それもあって、自分もトレランやならあかんかな、って思ったのもあったな。

萩:もし順調だっだら、走ってなかったかもですね。

西:2018年からトレイルランニングにシフトしてたのが良かったと思う。ゆる〜くアウトドア向けに使えるヘッドランプみたいなワイドレンジよりは、狭く深くの方が良いと気づき。コロナ禍の時にはキャンプブームが来て、しばらくして落ち着いたらサーっと引いて、業界は大変やったと思うけど、うちは特に恩恵も受けてない。普通にゆるく伸びてるって感じで。大会も全部なくなって、でも、トレイルランナーができることを考えようって土井さんがTrailmastarの使い方を説明しに全国を回りはしませんか?って。ロードトリップって言って、 関東四店舗、九州は福岡、熊本、 長崎。四国だけできずで、中国エリアは岡山と広島。最後はクリスマスの日に神戸を回ったんよね。

吉:最初は問屋さんとの取引から、今は専門店さんとのコミュニケーションがぐっと多いですやん。それってやっぱりロードトリップがあったからでしょうね。

西:ヨッシーが入った時にはNatty Shortsは出来てたよね。 Onion Hoodyが大詰めの頃かな。

吉:入社前に歩いた信越トレイルで、オニオンの最終プトロタイプを借りてテストしてました。Trailmastarがなかったら、僕が入社していることもなかったでしょうね。

西:やっぱり土井さんとの出会いが大きかったな。土井さんがUTMBに行かなかったら、自分も行くことはなかっただろうし。

萩:世界最高峰のランナー達を間近で見れたんですよね。 

西:2019年のUTMBやね。第一エイドってトップ選手と五十位ぐらいまでってそんなに開きがないわけ。グザビエとかパウ・カペルとかバーッと走って来るねん。 彼女がサポートしてて、ハグして、パーっと出ていくねん。もうすっげえと思って、そうこうしてるうちにTrailmastarを付けてくれているアメリカ人のジェイソン・シュラブが 十位くらいで来て、二十位くらいの中国人もTrailmastar付けてて「うわー」ってなって。 土井さんが来るまでに四人ぐらいトレイルマスターつけてくれているのをこの目で目撃したんよ。五十位までに四人ってまあまあな比率やん。それは鳥肌。自分が作ったヘッドランプを世界の大舞台でつけてくれてるのを見れたのは、ほんまに良かったなと。

吉:今ならサッカーW杯で自分の作ったスパイクを、選手が履いてくれてる感じですよね。

西:ほんまにそうよ。めちゃくちゃ嬉しかった。こうやって トレイルランニングの世界にぐっと入って良かったと思う。 狭く深いからわかることってあるやん?

西:それはヨッシーが入ったことによって、俺をトレイルの世界にグッと引っ張ってくれたのも大きい。土井さんはトレイルの世界を見せてくれた。ヨッシーは俺をトレイルの世界に入れてくれたって感じかな。やっぱTrailmastar作ったことが全ての起点になってるな。

遥:吉田さんと会ったのもTrailmastar のおかげなんですか?

西: TDT100がきっかけかな。Trailmastar をつけてSAKUさんがTDTを走って、俺も今まで走ったことない60キロという距離をペーサーとして誘ってくれて。”TDT愛を感じて欲しい”ってね。

西:そのTDTが終わって、毎週土曜日に通ってた交野の練習会で「西岡さんですよね、TDTにいてはりましたよね」って声掛けてくれたよね。「僕もTDT行ってたんです」って。水曜日の晩に「ぶどう坂」で練習してるから来ませんか?って誘ってくれて。2020年の新年一発目にアカコン達と一緒に信貴山朝護孫寺にお参りに行ったのを覚えてるわ。

萩:その前の年の12月にSUDT(スーパー・ウルトラ・ダイトレ)100マイルのイベントがありましたよね。そこで僕も西岡さんに会ってたはずです。

西:SUDTを企画したトヨさん(奈良Yosemiteの豊田氏)に「おもろいメンバーが集まるから、おいでや」ってヨッシーとノリオしか他に誰も知らへんかったけど、俺はスタートのカメラマンとして行ってたのを覚えているよ。 

西:そんなわけで、8月1日(土)はみんな来て欲しいな。鏡割りして、振舞い酒しよう! 他に何かする?

 吉:卓球?

西:悪いけど卓球は負ける気せんわ。あと、腕相撲とうどんの早食いも。

吉:うどんは早いな~(笑)

西:うどんは、飲んでるからね(笑)まあ、それはやめとこか。それではこの辺で。さよなら。

吉:さよなら。

遥・萩:さよなら。


今回は、milestoneが会社としての独立することとそのイベント、そしてブランドの歴史をさかのぼって聞かせてもらいました。

コロナ禍はトレランレースが軒並み中止になり、密を避けてマスクをし、日常生活を制限される窮屈な日々でした。そんな中でも、街じゃなくて山へ行こう、飲み会が駄目なら外を一緒に走ろう、大会がないなら小さな草レースをやろう、と逆に人と人が繋がることに意識が向いたように思います。

レースに出ると、上手くいくこととそうでないことがはっきりします。もっと走れたはずなのにと、失敗をして学ぶことが沢山あります。足りないものが見えてきます。

トレイルの凹凸に、寒暖差に、山の高低差に体をぶつけてみて、わかることがあります。

人も世もブランドも、山あり谷ありでトレイルランニングみたい、なんていうと、ちょっとうまいこと言い過ぎですね。

それでは、また来月。


文・構成/萩原 健