第13回:おしえて!マイルスト~ン「ドゥー・バップしてる?」

2024/01/25 UP | POSTED BY milestone

この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた二人(西岡&吉田)の話を(#水曜ぶどう坂練 で一緒に走っている萩原が)聴いて、深堀りしていく企画です。

・パフォーマンスモデル

西岡(以下、西):今日は「トレランレースの勝負Tシャツは何着てた?」ってあたりの話からどうかな。自分の場合は、某P社のキャプリーン。切り替えが入ったデザインだった頃のもの。めっちゃ薄い素材で8月の暑い「くろんど輪舞曲(ロンド)」(大阪府交野市くろんど園地で行なわれる1周約8.6キロの周回レース)でも着てた。

吉田(以下、吉):自分は厚木大学(厚木を拠点にトレイルランニングを行なう架空の大学)で刷ってくれているTシャツを着てました。ボディは無印良品で、値段とクオリティのバランスが良くて。

西:無印のTシャツはもう廃番になったやつね。色のバリエーションも沢山あったけど。

 

吉:厚木大学のグルランに参加してたので。トレラン始めた頃、色んなガレージメーカーから出てるTシャツを集めてて、素材違いのものを試してみたり、「TRAIL」とか「TAIL RUNNING」って書いてあるのが輝いて見えて。50枚くらいTシャツ持ってるんですけど(笑)そればっかり着てました。

萩原(以下、萩):レースはしばらくお休みしてますけど、出てた頃はコットン風のポリエステルTシャツにチームロゴをプリントしたものを着てました。当時はロゴ優先で機能にはあまりこだわりがなかったけど、そのチームも自然消滅状態なので、新しい勝負Tが欲しいですね。またレースにも出始めてるので。

 

吉:ちょうど良いものがあります(笑)今回のDoo BopT-shirts(ドゥー・バップTシャツ)は、レースの時に勝負Tシャツとして、自分たちが着たいものを作ろう、というのが出発点だったんですよ。

西:レースや、ここぞという時にパフォーマンスを発揮してくれるモデルになったんじゃないかな。

萩:パフォーマンスモデルってそういう意味だったんですね(笑)

 

吉:そうなんです。

 

 

・杢(もく)とは

 

 

西:薄さや肌離れの良さと質感としてツルッとしてないもの、光沢感の無いものを作りたかったんよ。それは最初にあったんよね。

 

吉:杢(もく)調のものがいいなっていうのはありましたよね。

 

西:一応訊いておくけど、何なん「杢」って? 杢グレーはよく聞くけど。吉田君、解説してくれるかな(笑)

 

吉:説明難しいですけど、昔からあるチャンピオンとかカレッジもののTシャツのグレーですよね。トップ染めといって、糸になる前の状態で染めてるんです。それに白い綿を混ぜて糸にしたのが杢です。単色で染まってるTシャツよりも工程が掛かってるんで原価も高いんですよ。今回はその杢の色調をポリエステルで表現してます。種類が違うポリエステルを使うことで、温度によって染まり易さの違いが出て霜降りというか杢調になっています。

 

西:仕入れ先の工場さんに無理難題言いながら、じゃあイチから作ろうってなって。ホンマよう協力してくれたなって思う。当時の担当の方はランナーでもあったから、我々が意図してしてることを汲み取ってくれたのかな。一発目のサンプルが上がってきてコレや!ってなったよね。

 

吉:西岡さんは生地を探し回って、生地の展示会に行ったり、海外の生地も探してきてくれてたんですけど、結局、オリジナルで作ってみるしかないってなったんです。国内の工場で試編(しあみ)っていうんですけど、試しに編んでもらってこんな感じでどうですかって、出してくれたやつがめちゃくちゃ良かったんですよ。

 

西:試編は30センチ角くらいなんよね。それが良くても、着てみないとGOできないし。一反サンプル用に作ってもらって。

 

萩:一反?!

 

西:一反はだいたい50メーターなわけ。

 

萩:ひー!!

 

吉:最悪サンプル反丸ごと買うからって作ってもらって。やっぱり薄さとか見た目が良くても、結局は着てみないとわからないから。どれだけ生地が汗をべちゃっと保水するかも試したいし、Tシャツの形にサンプルを上げてもらって、去年の暑い時期に着てました。6月でしたけど、水を2リットル弱ほど背負ったOSJ山中温泉トレイルレース(石川県加賀市)でも。保水しないし速乾性もある。肌離れも良いしってことで作る方向へ進めていったんですよね。

 

・走るためのパターン

 

 

西:パターンはいつもの専属パタンナーJKさんにお願いして。

 

萩:第9回でDaybreak Merino Tシャツを紹介してもらいましたけど、形というかパターンは一緒なんですかね?

 

吉:着丈、身幅、肩幅はデイブレイク・メリノと一緒です。袖丈(そでたけ)が若干短いです。メリノの方はハイクでも使ってもらいたいから普通なんですけど、今回はランニングモデルなので。動かしやすいように袖はセットインではなく、ラグランスリーブになってます。

西:走るのに腕を振るからね。

 

萩:サイズ表記は単純に比較できないですよね。メリノは肩幅と袖丈の表記ですけど、ラグランは裄丈(ゆきたけ)で表記してありますよね。

 

西:裄丈ってどこからどこのこと?僕はファッション業界長いから(笑)もちろん知ってるけど、リスナーの皆さんに説明してあげて、吉田君。

 

吉:いろいろツッコミどころあるけど、まあええわ(笑)

裄丈は肩幅÷2+袖丈です。簡単にいうと、首の後ろの背中の真ん中から袖の先までです。

実は、はじめはレース向けということで身幅をタイトに作ってみたんです。。結果的にはデイブレイクメリノの身幅と同じが着心地良いなということで、身幅を同じにしました。

メリノの時に説明したように、直接肌に当たるものなので、今回も縫製はフラットシーマーにしています。

西:色も染めてもらってて。スチールグレーとリーフグリーンです。ユニセックスで使ってもらえる色になったかな。2色とも真夏でも汗染みが目立ちにくいのがいいね。今までなら、ある生地やボディを見つけてプリントしてたけど、いよいよmilestoneのアパレル製作が次のステージに突入してて。だからこそ良いものができてると思う。

 

 

・新しい「LIGHTING YOUR WAY」

 

 

吉:生地が上がってコレでいけるって頃に、アメリカのトムさんから、こんなんどう?って「LIGHTING YOUR WAY」のスローガンをシンプルなグラフィックにしたものがちょうど送られてきたんですよね。

西:デザイナーのトム・マックスウェルさんね。このTシャツにはめたらええんちゃうって試刷りしてもらったらバッチリで。白でプリントしたのも良かったし。「LIGHTING YOUR WAY」の「T」のところにmilestoneの道標を落とし込んでくれて。このロゴも大事にしていきたいなと思ってる。

ちなみにトムさんはBAMBI100のロゴや、

milestone TERADACHOで販売してる箕面ビールさんとのコラボビールのラベルをデザインしてくれてます。トムとはまだ会ったことないんやけど(笑)

 

萩:えー!!

 

吉:オンラインでは仲良しで、お互い顔見ながらビデオチャットでよう喋ってはるんやけど。

 

西:リアルにフィジカルでは会ってないね(笑)才能のあるデザイナーに恵まれてます。彼との作品はこれからも色々作っていきたいなと思ってます。結構お蔵入りしているものもあるから。

 

吉:センスあるから色んな切り口で送ってくれるんですよね。いったん、蔵に仕舞っておいてますけど、また機を見て出てくる可能性はありますよね。

 

 

・名盤になる確信

 

 

西:このコラムがアップされる1月には発売されてます(発売中)トレイルランニング用として作ってるけど、もちろんマラソンでも着れるだろうし。今シーズンも暖冬やし。

 

吉:ロードのランニングでも使って欲しいですね。今の時期なら、このTシャツにアームスリーブを合わせてもらって。

 

西:相性良いな。Fast Trail Glove もして。先月12月の武田の杜トレイルランニングレース(武田神社をスタートし、甲府の里山をめぐる30キロのコース)はその組み合わせで。

吉:真夏の山中温泉から真冬の武田の杜までオールシーズン使えますね。めっちゃ抜けるので逆にお腹が弱い人は腹巻を合わせるのもありかも。

 

西:生地がホントに良いから、今後真夏用にスリーブレスはやりたいなと思ってます。

 

萩:それも楽しみです! 今年もきっと暑いんでしょうね。最後に名前の由来をお願いします。

 

吉:これはマイルス・デイヴィスの「Doo-Bop」っていうアルバム名から取りました。このアルバムは、発表された当初は賛否があったけど、のちに名盤として評価されたというところから、はじめて出すパフォーマンスモデルなので、最初から受け入れられるかどうかわからないですけど、間違いなく気に入ってもらえるはずという確信から名付けました。

 

西:Doo Bop T-shirtsも名盤になって欲しいね。

 

 

 

今回はレースで着たい勝負Tシャツについて聴かせてもらいました。Doo Bop T-shirtsは、milestoneというブランドにとっても、生地作りからこだわったチャレンジングなTシャツでした。

レースは特別な晴れ舞台で、チャレンジの場ですよね。だからこそ緊張したり不安にもなったりします。でもその為に何か月も前からトレーニングを重ねてしてきたわけですから、スタート地点に立つこと、それだけで充分尊いことだと思います。あとは平常心で持ってる力を出すだけ。どんな結果になろうとも。

新しい年が始まりましたね。今年もチャレンジしていきましょう。自分をご機嫌にさせるものを着て。

ではまた来月も、お楽しみに。

 

文・構成/萩原 健

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOP / Column