第27回:おしえて!マイルスト~ン「知ってる人は、知っている?」

2025/03/25 UP | POSTED BY milestone

この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた二人(西岡&吉田)の話を(#水曜ぶどう坂練 を一緒に走っている)ライターの萩原が聴いて、深堀りしていく架空のポッドキャスト番組です。

 

・腰で光る理由

 

西岡(以下、西):今回は、Paagoworks さんとのコラボアイテムであるウエストライトのアップデートについてご紹介します。

吉田(以下、吉):milestone x paagoworks  RUSH Light 2.0 ですね。

萩原(以下、萩):今回は、どこがアップデートされたんですか?

西:ありがとうございます。値段がアップデートされました(笑)

吉:それ、先月も聞きました(笑)

西:もちろん、値段だけではないです。吉田さんが「コシヒカリ」と命名してくれている通り、ラッシュライトは頭ではなく腰に付けるライトなんです。今回の大きな変更点は、収納力です。

萩:見た目からして全然変わりましたよね。

西:お客さんから、もう少し収納力が欲しいという声を多方面から頂きまして、パーゴワークスさんのRUSH HIPというアイテムを元にさらにアップデートしています。

萩:現行のRUSH HIP(写真上)より大きそうですね?

西:そうなんです。パーゴさんのモノよりも大きくなってます。そして、前回のラッシュライト(写真下)は前だけの収納だったんですけど、今回のアップデートされた2.0(写真中央)は後ろにも収納できるようになりました。500mlのペットボトルを入れられるくらいのサイズです。

吉:600mlの麦茶も、もちろん入ります(笑)

西:もともとは、自分がRUSH HIPをユーザーとして愛用していたんです。改良してライトを付けたいというお話をパーゴさんとさせてもらって、コラボアイテムとして前回のラッシュライトが出来ました。もっと言うと、当時はMS-i1ではなくてMS-F1:Trailmasterだったんです。残念ながらトレイルマスターはバッテリーの供給の問題で廃番になってしまいました。今回の2.0ではカラーもアイワン(MS-i1)に合わせて変更しています。

萩:以前はトレイルマスターに合わせて濃いグレー色だったんですね。

西:今回採用させてもらったグレイシア(氷河)というカラーは、廃番にするかも?ってパーゴさんに言われたんですけど、アイワンにピッタリやから、せんといて!と(笑)継続してもらいました。

ちなみに、製品化にはならなかったけど、これまでのラッシュライトに別パーツとして収納バッグをベルトに通すという案もあったんです。でも、やっぱり一から作りました。何バージョンもプロトタイプを制作してもらってテストしてしていく中で、このかたちになったんです。

吉:サイドのバンジーコードで、ギュッと絞れるのが良いですね。揺れないです。

西:改良点としては、以前はバッテリーケースの収納箇所はポケットタイプだったんです。トレイルマスターのバッテリーケースは四角かったので。今回はアイワンの丸いバッテリーケースを挿せる筒状になっています。これが前にも後ろにも付いているので、どちらにも入れられます。

たいてい前側に入れると思うんですけど、重さのバランスを調整したい人は、後ろに入れて重量を分散できます。

こんな感じです。

 

空いた方に予備バッテリーを入れてもいいし(その際は、ジップロックに入れて防水対策は必要です)。あと前側はファスナーになってますし、後ろ側には「LIGHTING YOUR WAY」の文字を反射材で入れています。

吉:鍵を無くしやすい人のために(笑)後ろ側の収納にはキーループもあります。

西:あと、ライトを取り付けるためのベルトを25ミリから20ミリに変更しています。トレイルマスター用からアイワン用に。ちなみに上のループに通すことでライトが縦揺れしません。前側の下のループはゼッケン用で、後ろ側の上下ループは、ストックを外付けしたい方がバンジーコードを通せるようになってます。

萩:バンジーコードは付いてなくても、どこでも売ってますもんね。

吉:近場の普段の練習やロードを走るなら、よっぽど長い距離でない限り、ザックを背負わなくてもこれで事足ります。大概のものは入るので。容量何リットルと言われると答えに窮しますけど(笑)

萩:これからの暑い時期は、ザック無しで背中に風が通ると気持ち良いですよね。

吉:自分がレースで「コシヒカリ」を使う時は、アイワンをウエストに、頭はMS-G2にしてます。

萩:G2のバッテリーが持たないのでは?

吉:頭の方は、いちばん暗くしておけば大丈夫です。補給する時や時計を見るためなので明るさはそんなに必要無いです。トレイルを照らすメインの明かりは腰のアイワンです。

西:そういえば、10周年カタログのインタビューで、アカコン(水曜ぶどう坂練発起人)が、大峯奥駆道の無泊縦走を出来たのは「コシヒカリ」のおかげだと言ってくれてました。

萩:アカコンはトレイルマスターを頭と腰で2台使いをしてたようです。単独で深い山に入るなら明るさはしっかり欲しいでしょうね。

西:2台あると予備バッテリーが共有できる良さもあるよね。

萩:そもそもなんですけど、ウエストライトを使ったことがないんです。腰にライトを付けるメリットって何ですかね。見やすいですか?

吉:より低い位置から照らすことで、路面がはっきり見えます。特にガスってる時には、地面から近いところから照射することで、トレイルの状態をはっきり確認できます。

萩:なるほど。

吉:よく見えると安心して走れるので、自然と走行スピードも上がります。つまり、早くゴールに辿り着いたり、完走に近づくことができます。

萩:良いことづくめですね(笑)

吉:使ったことのない方は、是非、一度試してみて欲しいですね。頭から照らした時との違いに驚くはずです。

西:実は、もう一つ大きな変更点があるんです。

萩:まだあるんですか?

西:前回はライトとベルトのセット販売とは別に、ベルト単体でも販売してたんです。そしたら、他社製品のライトをこれに付けてるのを見掛けたんです。これが結構ショックで(笑)単品4,000円で売ってたんよね。

萩:それは、なかなかのお手頃価格ですね。

西:milestoneのロゴも入ってるんやけどね。でも、お客さんは自由やん。何のライトを付けようが。

萩:確かにそうですね。お客さんの気持ちも分かります。

西:でも、俺的にはせっかくならmilestoneを付けて欲しいから、他社メーカーのライトが付いてるのは腑に落ちんなぁって思ってたところがあって。バージョン2.0を作るにあたって、今回はセット販売だけにしたいという思いをパーゴさんのところ行って説明させてもらいました。他社製品を付けられるくらいなら、うちだけでやりたいと。「LIGHTING YOUR WAY」って入ってるし。

萩:なるほど。作り手の気持ちとしては、そうですよね。

西:パーゴさんでも単品販売せずに、うちだけで売りたいと。そしたら代表の斎藤さんも「そうか。じゃあ、わかった」って言ってくれました。自分の中ではすごく大事なことだと思ってたから、その思いを感じ取ってくれたからこそOKしてくれたと思うし。それくらいの思いを込めて作った商品やし。それでこそコラボレーションの意味があると思うから。

吉:大きなリニューアルポイントでしたね。

西:パーゴワークスさんは、最初のコラボの時からすごく協力してくれてて。ここまで関係性を築いて来れた事に感謝してる。我々の10周年記念カタログでは代表の斉藤さんも友情出演してくれて、撮影させてもらいました。

西:今後もっと深いお付き合いをしていきたいと思うし、次の次の話を考えていくのは楽しいから、そうやってものが生まれて行くんやろなと思ってます。

萩:楽しみですねえ。

西:ちなみに、吉田さんは富士五湖ウルトラマラソンは、ライトを外してポーチのみで行くつもりらしいね。

吉:ロードのウルトラマラソンのフィールドでも使えますから。

萩:ライトは要らない?

吉:朝5時スタートなので、ライトは不要かと。夕方の制限時間ギリギリになったりすると、必要かもですけど。必携には無かったはずです。

萩:昔、丹後ウルトラマラソン走った時は、朝4時台のスタートだったので、会場で準備する時にも明かりは欲しいし、スタート直後30分くらいは使ってた記憶がありますよ。

吉:確認しとこ。

ラッシュライト2.0の発売は、3月中旬からなので、このコラムがアップされる頃には発売済みになっています。先月お伝えしたした通り、3/28(金)の夜にはお試しイベントがありますし、翌3/29(土)はパーゴワークスさんのPOP UPイベントを開催します。

 

・新しいキャンバス

 

吉:もう一つご紹介する商品がありまして。新しいキャンバスTシャツが出ます。

西:キャンバスTとは何か。今一度、吉田さん、お願いします。

吉:うちの完全オリジナルの生地、パターンを採用したモデルになります。ポリエステル100%なので、速乾性もあります。見た目はコットンライクなので日常にも使ってもらえますし、ランやアクティビティにも使えます。

萩:過去回でいうと第15回「キャンバスになるもの」で、パターンについても詳しく紹介してもらいましたね。

西:フリーダムスリーブの話をしたよね。今回の色目はエメラルドグリーンと

オレンジ系です。

前作の「ビーム」に引き続き、アートディレクターのCOVER君にデザインしてもらってます。

吉:ジョギングクラブのイラストも描いてくれてますね。

西:前回はマービン・ゲイとか70年代のソウルやファンクのレコードにありそうなフォントをオリジナルで作りました。

萩:ブラウンとベージュのものですね。

西:今回も音楽から引用しているんです。パーラメントというグループにいたジョージ・クリントンというファンク界の巨匠がいるんですけど、彼が所属していたカサブランカ・レコードっていうレーベルのロゴをオマージュして、milestone仕様にしました。

萩:すいません。全然わかりません(笑)

西:わかる人に分かれば良いかなって。

萩:分かり過ぎる引用ってよくあるじゃないですか。知られ過ぎてないところからっていうのが、にくいですね。

西:ギリギリを攻めてますから。

吉:ニッチなところをね(笑)

西:えっ? カサブランカ? ってなる人はおらんと思うけど(笑)知る人ぞ知るで、もしかして? って思ってくれる人がいたら良いかなっていうくらいです。少量生産になってます。年一しか作らないですし。

吉:知らなくても、デザインとしてかわいいですからね。

西:今回も色指定をして、我々にしか無い色にこだわって作ってます。

萩:古着みたいな、だいぶ洗い込んだコットンの風合いが出てますよね。

吉:このムラ感が良いですよね。実際の綿のTシャツだと、だるーんとしてしまうけど、それも無いし。去年ジェリー・マルケスのTシャツ買ってくれた人は、このボディええな、と思ってくれてるかと。

西:今回はこの辺ですかね。それでは、さよなら。

西・吉:さよなら。

西・吉・萩:さよなら。

 

今回は、コラボ・ウエストライトと新柄のTシャツについて教えてもらいました。目で見てわかるデザインやカタチの更新。その後ろには作り手の思いやストーリーがたっぷり詰まっていました。引き続き、こちらの月一コラムでは、狭く(笑)深い物語をお届けしていきたいと思います。

さて、先日まで寒いと思っていたら、急に春らしい暖かさ。トレランシーズンが始まりましたね。外遊びには絶好の季節を存分に楽しみましょう。それでは、また来月。

文・構成/萩原 健

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