みなさん、おはこんばんちは。milestoneの吉田です。
今回は、先日ジェリー鵜飼さんと行った沢旅について、僕の受けた衝撃を少しでも皆さんと分かち合いたく、ここに記録として残したいと思います。
少なくとも10年以上は山に登ってきた自分としては、まさかここまで新しくも楽しい驚きを、今さら山でまた与えてもらえるなんて、思ってもみませんでした。
ここで学んだことを活かして、今後は僕一人でも沢泊ができるようになりたいと思います。
それでは、一泊二日の沢旅の様子を、出来るだけありのまま共有してもらえるようお伝えしていきたいと思います。
まず沢旅において”釣り”というアクティビティは、その旅を豊かにする最大の要因ではないでしょうか。3年前に僕の沢の師匠であるアカコンとマッサンの2人から、テンカラ竿を持って伊藤新道を行くよと言われ、そこで出会った無垢なイワナちゃんたちにまんまと山釣りへの扉を開かれた僕は、今年フライフィッシングを始めました。(ハルカも同じ流れを辿っています)
西岡氏はというと、ルアーフィッシングで大きなニジマスを釣り上げてから、ずっとルアー釣りのスタイルです。

写真は伊藤新道を言った時のメンバーです。左から、ズンコさん、僕、マッサン、エマちゃん、ハルカ、アカコン。
ここで釣りをしない方に簡単にそれぞれの釣り方の違いを説明しておきますと、
●テンカラ
竿の先に糸をつけて、更にその先に毛バリをつけて魚を釣るスタイル。まさにUL、魚釣りの最もシンプルな方法で、古くは日本の職漁師が山岳渓流で魚を獲る為に考案されたもの。
patagonia創設者のイヴォン・シュイナード氏もそのスタイルに感銘を受け、ブランドからテンカラ釣りの本や、テンカラ竿を発売したこともある。
●フライフィッシング
竿にリールをつけて、ラインを長く引き出し、遠くにフライ(毛バリ)を飛ばして魚を釣るスタイル。古くはイギリスの紳士が行っていたスポーツ。その後アメリカや日本にも伝播し、それぞれの国で独自の発展を遂げている。
●ルアーフィッシング
竿にリールをつけて、ラインにルアーという疑似餌をつけ、リールを巻きながらアクションを付けて魚を誘って釣るスタイル。こちらも古くはヨーロッパが発祥で、湖に落としたスプーンにニジマスが喰らいついたことから発明されたと言われている。
われらがジェリー鵜飼さんはというと、フライフィッシングのスタイル。
つまり、西岡氏がルアーで、他の三人はフライということで今回の旅はスタートしました。
まずは駐車場に集合し、そこからバスでスタート地点に向かいます。

バスの終着点から1時間ほど林道を歩いて入渓点へ向かいます。
ここで、ジェリーさんから懸垂下降のレクチャーが。
僕たちも数回しかやったことがないので記憶がリセットされており、イチから丁寧に教えて頂きました。また、その際言われたことが
「懸垂下降は命にかかわることなので、もし誰かに教えるなら、(ジェリーさんではなく)きちんとした指導を受けてからにするように」ということでした。
このあたりから既に、「あ、ジェリーさん今回は沢での遊び方について、僕たちにきちんと伝えようとしてくれているな」と感じました。

入渓後は、おのおの竿を出して釣り開始。
夏休みに何度も何度も釣られて痛い思いをしたたイワナくんたちは、なかなか簡単には釣らせてくれません。ここのところ雨が少なく渇水のため、更に状況は難しくなっています。
それでも、この雄大な景色の中、みんなで竿を出せているということが心を豊かにしてくれます。

ここでハプニングが。ハルカが転倒をして、フライロッドを折ってしまいました。というわけで、ここからは予備で持ってきていたテンカラロッドに切り替えてハルカは釣行することに。(怪我がなくて何より)
お昼になって、ジェリーさんから湯を沸かして、大きな葉っぱを集めてくるように言われて、??となったのですが、葉っぱを持って来てみて何をしようとしているのか納得。湯がいたそうめんを載せる皿に、天然の岩と葉っぱを用いた盛り付けをするためでした。

持参してくれたみょうがを刻んでそうめんつゆに入れてくれるあたり、さすがです。
ここで既にいつもの僕たちの釣行パターンとは、違った豊かさを手に入れていることに気付きます。いつもは釣りに夢中で、朝から脱渓までろくになにも食べずにいるのですが、こうやってアルプスの天然水で湯がいたそうめんを、信じられないような美しい景色の中みんなでつつくのは最高の体験でした。
さて、今日の目標とする幕営地に向かいつつ釣りあがっていくと、西岡さんにヒットが。釣りでもなんでもそうですが、西岡氏がアウトドアアクティビティに向かう姿勢は、いつもアグレッシブです。ランでも釣りでも、それがきっとチャンスを掴むことになっているのだと思います。

複数人で釣りをしたことのある人は想像できると思いますが、特に渓流釣りにおいては、(人が通れば通るほど魚にプレッシャーがかかるため)先行している人が圧倒的に釣れやすいです。そういうこともあって、ジェリーさんは僕たちに釣れるチャンスが訪れやすいよう、後ろの方から僕たちを見守りつつゆったり釣り上がります。そんな中でも、着実に魚を手にするジェリーさん。

写真を撮ろうとすると、「尺(30㎝)を超えるような大きな子以外は、写真を撮ったりせずできるだけすぐにリリースしてあげるようにしている」とのこと。
ジェリーさん、魚にも優しくて素晴らしい考えなのですが、そんなことしてたら僕なんて、何年かに一度しか記録が残らないです。笑
そして最後の最後にハルカもテンカラで釣り上げ、これで僕以外は全員釣りました。

道中、ジェリーさんからフライフィッシングのロングキャストのやり方や、フライの送り込み方、近場に落としたフライをいかに長い間、自然に浮かべておくかといった技術的な事もたくさん教わり、今まで僕のやっていたリーダーとティペット(毛バリに付いている細い糸のこと)の短ーいフライフィッシングは、テンカラに毛が生えたようなものだったのか。。。と驚きつつも、いつもより倍以上長くなったリーダーとティペットで懸命に慣れないキャストを繰り返しました。

幕営地に着くと、ジェリーさんから「タープ張ったり、晩御飯の準備はやっとくからヨッシーは釣っておいで。まだ釣れてないでしょ?」との優しいお言葉。
逆に、これでもし僕、釣れなかったらどうしよう、というプレッシャーは最高潮に高まります。汗
そして、あたりも暗くなってきたころ、テント場の前でライズが始まりました。(ライズとは、魚がえさを水面に来て食べること。バシャバシャと水面に水しぶきがあがり、この時はよく釣れます)最後のチャンスとみんなから送り出され、ようやく一匹を手にしました。

いつも仲間内ではそこそこ釣る男を自認していただけに、(針先が欠けていることに気付かず4回ほどバラしていたとはいうものの)少しリーダーとティペットを長くしただけでここまで僕は下手になるのかという驚きとみんなへの申し訳なさが一緒になった表情がこちらになります。笑
さて、今回はタープを張ってその下でみんなでゴロ寝のスタイル。なんとジェリーさんは農ポリタープといわれる、農業用のポリエチレンシートと、荷造り紐で綺麗にタープを張ってくれました。

タープの端は、小石を丸めて支点にするスタイル。

ジェリーさんに沢泊を教えてくれた師匠の方は、”あの”渓流釣りの原点とも言われている、「渓の翁」こと、瀬畑雄三さんから渓流釣りを教わった方とのこと。ちなみに、アカコンの敬愛するサバイバル登山家、服部文祥氏の渓流釣りの師匠も同じく瀬畑さんだということで、まさに、今の日本の源流釣行における、スタイルの源流中の源流ともいえる存在を、意外なところで感じることになりました。(彼の本は僕の愛読書です)

晩御飯は、ジェリーさんが家からカチカチに凍らせて持ってきてくれた国産黒毛和牛を、パーセルトレンチで焼いて、炊いたご飯にのっけて食べるという、最高の焼肉丼!

お酒はあまり飲まないジェリーさんですが、そのあとも源流料理でお腹を満たしつつ色々な話を愉しみ、珈琲ナッツ&キャラメルコーンのデザートまでフルのおもてなしを受け、ハルカが人形浄瑠璃のような顔になるまで楽しい夜は続きました。

翌朝は早起きをしてタープの下で朝ご飯を作りつつおしゃべり。
とにかく焚火缶は朝晩大活躍でした。

渓泊ポイントの前で記念写真をとって、今日も沢を釣り上がっていきます。
2日目は帰宅のこともあるため、12時には脱渓目標ということで、少し急ぎ目に進んで行こうということになりました。

釣果のほうは、朝早くからスタートしたということもあり、ジェリーさんを筆頭に、ハルカ、西岡氏とみんなどんどん魚を手にしていきます。
僕も今日こそは問題なく釣れるだろうと高を括っていましたが、なぜか全く反応がありません。昨日反応があったのに針が折れていて4回もバラしたフライ(のあたらしい針のやつ)に変えてみましたが、今日は全く反応がなく、昼が近づくにつれ焦りは募ります。

とうとう12時をすぎ、時間切れ。。ジェリーさんが最後のポイントと考えていた堰堤に案内してくれ、ご自身で巻いた毛バリを僕のティペットにセットしてくれました。キャストすると、魚の姿は見えましたが、そこでも痛恨のフッキングミス!残念ながら釣り上げることができませんでした。
ついに脱渓の時がやってきました。ジェリーさんがここまでやってくれたのに1匹もつれなくて、悲しいやら、情けないやらの気持ちが押し寄せてきます。脱渓ポイントにも堰堤がありましたが、渇水で水たまりくらいの水位しかありません。ジェリーさんに、「最後、やってみる?」と聞かれて、さすがにみんなも待たせているし、やめときますと答えようとしましたが、最後の最後まであきらめたくない自分がここで発動して、「やっていいですか?」と気付いたら答えていました。
そして堰堤にそっと近づいてみると、水たまりの中に魚の姿が・・・!魚にばれないよう、しゃがんで近づいて、そっとフライをキャストしたら、スーッと寄って来てくれて、なんとフライをくわえてくれました!

普段一緒に遊んでいてもほとんど写真を撮らないジェリーさんが、この時ばかりは、いの一番にスマホのカメラを僕に向けてくれました。
ご自身が尺を釣った時ぐらい喜んでくれたんだなと後で思い返し、ムネアツでした。
ここでようやく全員釣れたということで脱渓。西岡さん、ハルカ、待たせてごめんよ!
二人も僕が釣ったところを遠くから見ていてくれて、釣れた瞬間斜面を駆け下りて来てくれました。みんなが喜んでくれて、このまま僕は小さな堰堤の前で胴上げされるのではないかとさえ思いました。僕の中で、この日を“ミニエンテイの歓喜”と名付けたいと思います。
少し(僕のせいで)時間が押したので、急ぎ足で帰路につきます。
帰りの道中も、そしてバスの中も、釣りの事やジャッキーさん(jindaiji mountain works代表)など昔から渓流釣りをしたり、山で遊んでいる仲間の話やギアの話など、たくさんのことを教えてくれたジェリーさん。

最後の方に教えてもらったことで、とても耳に残っているフレーズがあります。
「俺たちも昔先輩たちからフィールドで遊びながら色々教えてもらったから、それをよっしー達に伝えてるだけだよ。だからよっしー達も、アウトドアの世界の住人になったんだったら、下の世代の子達に、こうやって自然の中で遊びながら、現場の知恵みたいなものを、伝えていってあげて欲しいな」
まだまだ自分はアウトドアの業界に入って短いし、諸先輩方に教えてもらう一方だと思っていましたが、少しずつ登山やトレイルランニングで、自分の経験から分かったことなどを、初心者の方に出来る限りシェアしていきたいなと思いました。
こうして、僕のアウトドア人生史にのこるであろう濃ゆい二日間は、幕を閉じたのでした。改めてジェリーさんに感謝を伝えたいのですが、その一番の方法は、次に一緒に渓泊に行くときに、教えてもらったフライフィッシングも、渓泊のスキルも今より上達していることなのではないかと、勝手に解釈して日々精進します。

これにて、僕らチームマイルストーンの経験した、ジェリー鵜飼さんプレゼンツの沢旅はおしまい!これを読んでくれた皆さんにも、少しでも僕の感動が伝わっていたら嬉しいです。
感想・ご意見や取り上げて欲しいトピックなど、何なりとメッセージを頂けましたら大変励みになります。
それではまた来月、さよなら、さよなら、さよなら。



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