第8回:おしえて!マイルスト〜ン「たかがT、されどT」
2023/08/24 UP | POSTED BY milestone
この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた人(ファウンダー西岡)と使ってきた人(中途入社の吉田)の二人の話を(#水曜ぶどう坂練で一緒に走っている萩原が)聴いて、深堀りしていく企画です。
・シームレスにクロスオーバー
萩原(以下H):8月1日「milestoneの日」のインスタライブ見てました。いい感じにスムーズな掛け合いで。リハサール無しですか?
西岡(以下N):リハ無しで。滞りなくできたかな。
吉田(以下Y):普段からあの感じでやってるからね。
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H:さすがです。息の合った様子が伝わってきました(笑)ちらりと新アイテムの話も出てましたけど、今回はTシャツの話です。普段から当たり前のように着てるけど、選ぶ基準って人それぞれあるよねって辺りから。実際、何着てます?
Y:普段?走る時?普段は天然繊維を着てるけど。
N:もう全く天然繊維は着てない。コットンとかってことでしょ。
Y:マジっすか。何着てるんですか?
N:自社製品しか着てない。普段も。
Y:さすが、ミスター・マイルストーンやな(笑)
N:コットンはもう着ることがないかな。普段着とアクティビティウェアが、クロスオーバーしちゃって。
Y:シームレスに。
N:どっか、ぷらっと家族で買いもん行こうやって時、「あんた今から山行くんか」って言われるくらい。ヨッシーはメリハリつけて普段からおしゃれな感じにやってるけど。
Y:ナッティロングが罪ですよね。さすがにナッティショーツで高島屋行かんでしょ。
N:行こう思ったら行けるけどな(笑)
Y:あなたは行くねー(笑)
N:何があかんの?俺のユニホームやでって。海外生活が長かったから、自分が思うほど周りは何も思ってないって感覚。
Y:露出度の問題があるじゃないですか、ナッティーショーツは。ロングが現れたことによって、どこへ行くのでも穿けちゃいますよね。
N:帽子被ろうと思っても、Tシャツ着ようとしても、自社製品になってまう。
H:それはそれで、耐久テストにもなりますよね。
Y:自分の場合、TPOやオンオフの切り替えを大事にしてて。milestoneを着ることで仕事のスイッチが入るので。なのでプライベートでは着てないですね。オフの時は。
N:わかる。それはヨッシーのスタイルやから。他社製品を着ることで勉強になることもあるわけで全然良いと思う。ファッショニスタやから。
Y:ここええな!とかあるし。
N:発見があるよね。
Y:話が逸れましたけど、今日は上(トップス)の話でしたね。普段からコットンはあんまり着なくなりました。ウールが多いかな。
H:アクティビティしない時も、アウトドア寄りのウエアを選ぶから、自然とウールになってるってことですかね。
N:ウールって匂いが独特じゃない?
Y:ウールの匂いってありますよね。でもどんなに汗かいてもその匂いからは変わらないですよね。自分はめっちゃ汗かくので、綿やポリエステルだともっと自分固有の濡れた犬のようなニオイがするんですけど、それがウールだとしないので。穂高へ行った時、テストのつもりで丸二日着てたんですけど、下山後に嗅いでも全く臭くなかったですね。
N:一緒にいたけど、そういえば、気にならなかったかも。
Y:ザックはしっかり臭くなってましたけど、Tシャツは全然。でもウールは毛玉問題もあります。ものによりますけど、機嫌よく着続けてて、気付いたらマルチーズ犬みたいになってたり。
H:洗濯した時の縮み問題もありますよね。
N:ウールにもメリットとデメリットがあるね。思い出したけど、自社製品を着る前はグンゼの白Tを気に入りすぎて箱買いしてた。コットン100%で着心地良くて、363日は着てた。
H:やっぱり着心地は大事ですよね。
Y:なんでウールの話ばっかりしてるかっていうと、実は、パターンから素材からフルオリジナルで、milstoneがTシャツつくるならコレ!っていうものが出ます、年内に。ウールで。
N:これはゼロからやから。袖の長さ、丈の長さ、身幅、縫製の仕方、これぞオリジナルってやつです。
H:その話は、また出た時に詳しく聞かせてもらいましょう。
・継続が生むストーリー
Y:ポリエステルの場合でも、走る上で選ぶなら、自分にあったシルエットだったり、生地の厚さも気になりますね。各社色々出してますけど、こんだけ暑いと袖いらないですよね。袖をちぎりたい(笑)
N:インスタライブでも質問頂いたり、他でもノースリーブは無いんですかって声があったんですけど、STAMP RUN & Co.(以下スタンプ)さんとのコラボでノースリーブが出ます。この記事がアップされる8月末の発売になります。残暑はまだまだあるでしょうし。
H:待望のノースリーブ。
N:これまでスタンプさんとのコラボでは、背面がメッシュのものと、スパンデックスが7%入った着心地の良いものと、季節に合わせて交互に出してきてたんやけど。
H:コラボのきっかけは?
N:スタンプさんのデザインは前からめっちゃええなと思ってたんやけど、最初の出会いは、私市(きさいち)のトレランショップSOTOASO(ソトアソ)さんに配達に行った時。スタンプさん主催のグループランをやってはって、一緒に走りません?って声掛けてもらって。まだトレランを始めた頃だったと思うけど、デザイナーの岡本君とパタンナーの丸さんと、初めましてって走りながら。2人とも自分と同い年とわかって、奇遇ですねってところからトントン拍子に。
Y:へえー。
N:スタンプチームの拠点は箕面で、毎回、美味しいハンバーガー屋さんで打合せして。
Y:自転車乗りが集まるというあのお店ですね。
N:第一弾は白とグレーのベースでモチーフを丸型で出して。岡本君が手描きしたイラストに、丸さんが色付けしてくれて。マスタードブラウンの帽子被って、トレイルマスターを付けてっていう細かい注文もさせてもらった。
H:ほんまですね。文字にもヘッドランプの光が当たってる訳ですね。
*今ではレアな一枚。土井選手がmilestoneアパレルを着用
N:第二弾がこれ、三角。
N:第三弾は四角。実は丸、三角、四角って図形が変化していく裏コンセプトがあって。
H:ほんまですね!山の風景をバックに男女一組っていうイラストのモチーフは共通してますよね。
N:milestoneのお客さんは男性も女性もいるし。
Y:トレランのレースは、女性の割合10%くらいですけど、お店に来てくれるお客さんは半々に近いですよね。
N:デザイナーさんには多くのことは注文しなくて。才能に惚れ込んでお願いしてるわけで。milestoneのブランドのこと思ってイチから描いてくれてるんやから、めちゃくちゃ考えてくれてると思う。それに対しては有難う御座いますという感謝の気持ちで。
ラフスケッチがあり、
文字のバランスやレイアウトを決めていく。
Y:細かいところは結構言いますよね(笑)
N:より良くしたいという気持ちが常にあるから。あかんかったらそのままにするけど、やっぱり良いものを作りたいからね。
Y:右から左かというとそうでもないし。修ちゃん入れてますよね。
N:ちゃぶ台は返しません。
Y:「ふりかけ」修ちゃんやね(笑)
N:楽曲制作で例えると、あそこのハイハットの音がうるさいから、もうちょっと違うパターンで組んでくれへん?て言われたら、OKじゃあハイハットだけならちょっとやってみよかなとか。スネアの音が前に出過ぎてるから、もうちょっとドラムに馴染まして?とか。
Y:それ音楽やってないと伝わらん例え(笑)
N:何が言いたいかと言うと、方向性を大きく変えるのではなく、細かい微調整の範囲は良いと思う。
N:イラストは描かれへんし、グラフィックもできないけど、(milestoneのデザインを多くお願いしている)デザイナーのK君が作ってる過程で、めちゃくちゃ緻密なところとか、誰も気づかへんくらい細かいバランスを整えてるのをいつも間近で見てるから。
N:コラボシリーズは一旦これで終わろうと思ってたんやけど、次、また第四弾やります(笑)ちなみに次は五角形でやるって言うてくれてます。来年春の予定で。図形が変化してるのは、誰も気づいてないと思うけど、続けることでストーリーが生まれるし、ワンショットで終わるコラボもあるけど、継続するのが大事だなと思って。
Y:ランニングと一緒ですね。
・「(FOR)YOUR WAY」
H:他のウエアでは入らないけど、Tシャツの場合はメッセージ大事ですよね。
N:娘が海外留学するのにあまり上品じゃない言葉がドーンと入ったTシャツ着てて。父親として、そのメッセージは海外行くのに良くないと思うって説明したもんな。
Y:大人なら、わかって着たいですよね。メッセージ性あるものを着るなら。
N:うちのTシャツは「LIGHTING YOUR WAY」ってブランドスローガンを入れてるんやけど。このMST‐006に関しては、コットンの風合いを持ったリサイクルポリエステル100%のBRINGさんのベースで。(株)JEPLAN(旧:日本環境設計株式会社)っていう名前の通りすごい会社なんよ。北九州に工場があって、ほんまにリサイクルのもんバーン集めて、それをグァーってブシャーやって、ガンって出てくるんよ。
Y:擬音多いな(笑)リサイクルしてる工場が作ってるんですね。
N:きっかけは、ZEN NUTRITIONのTシャツのイラストがめっちゃかわいくて、イベントで買って、ZENの田村さんにBRINGさんを紹介してもらったんよ。当時は田村さんくらいやったんちゃうかな?BRINGボディを使っていたのは、、、
Y:そうやったんですね。
N:ベースの色は、白と黒からはじめて、現行はアイボリーホワイト、カーキ、マスタードと展開してて、また黒をリバイバルさせてます。
H:「LIGHTING YOUR WAY」って言葉の意味や意図を前から訊いてみたいなと思ってたんですけど。
N:ヘッドランプメーカーやし、milestone =「道標(みちしるべ)」やから。ヘッドランプが夜道の道標になってほしいなって思って。元々は「LIGHTING FOR YOUR WAY」で間に「for」が入ってたけど、アメリカの展示会に出展してた時に、いらなくね?って現地で言われて。「JUST DO IT」「NEVER STOP EXPLORING」とか企業のブランドスローガンは三文字やから。それで省いた。
H:唐突ですけど、海援隊の「スタートライン」(1995年 作詞:武田鉄矢)って曲があるんですよ。歌詞に「夜の川原の一本道を誰かがまだ走っている」「向こうの岸辺はあんなに明るく」ても「闇を選んで走る人がいる」「闇に向かって走り出す為の」ってフレーズがあるんです。メタファーとして「走る」って言葉を使ってますけど、同じように「LIGHTING YOUR WAY」も、走ることやアウトドアアクティビティに限らないですよね。もっと広い意味で、チャレンジする人を応援する、と捉えられる良い言葉だなって思うんです。
Y:さすが金八先生。一人称の「自分が」どうこうじゃなくて、「for」は削りましたけど「あなたの為」ですもんね。
N:なるほどね。でも、どうやってそのスローガンを考えたか思い出されへんわ。
Y:夜道でプロポーズの言葉じゃない?
N:ちがう(笑)でも、あって良かったな。
Y:この言葉が自分達も照らしてくてれてますね(笑)
N:そういうことやな。
Y:Tシャツと言えば、ジョギングクラブの方も準備中で、milestone TERADACHO 壁面の「LIGHTING YOUR WAY」を手描きしてくれたCOVER君が、
イラストを描いてくれてます。普段走らない地元の人も来て欲しいなと思って老若男女でこんな感じになってます。
*こちらのTシャツはコンセプトストア、『milestone TERADACHO』にて絶賛販売中。またジョギングクラブ発足のタイミングは追ってインスタグラムにて発信致します。オフィシャルアカウントではなく、milestone TERADACHOの方でご案内致します。
N:まだまだ暑い日が続くし、秋のレースに向けてみんな頑張ってるとこやと思うけど、ほんま熱中症には気をつけてもらいたいね。
H:ノースリーブ着たり、水浴びしたりして暑さ対策しながら。
N:どんだけ暑い言うても裸で走るわけいかんからね。TPO意識するいう割には、上半身裸で自転車乗ったり、裸にトレランザック背負って走ってた人もおるけど。
Y:そんなやつおらんやろ〜(苦笑)
今回はTシャツにまつわるアレコレについて、教えてもらいました。今後出る開発中のアイテムの情報もありましたね。
私事ですが、この「おしえて!マイルスト~ン」というテキストコンテンツをやらないかと、milestoneの二人から声を掛けてもらえたことが、自分にとっては「WRITING YOUR WAY」と背中を押してもらった気がしています。新しいモノを生み出し続け、イラストの図形のようにどんどん変化していくこのブランドに伴走し、皆さんにお伝えしていければと思っています。
さて、秋のレースの準備はいかがでしょう。仕上がってますか?
それでは、また次回をお楽しみに。
文・構成/萩原 健