第20回:おしえて!マイルスト~ン「遊びが仕事?仕事が遊び?」

2024/08/25 UP | POSTED BY milestone

この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた二人(西岡&吉田)の話を(#水曜ぶどう坂練 を一緒に走っている)ライターの萩原が聴いて、深堀りしていく架空のポッドキャスト番組です。

西岡(以下、西):どうも皆さん、こんにちは!  milestoneの西岡です。

吉田(以下、吉):吉田です。

萩原(以下、萩):どうも、萩原です。

西:とりあえず、乾杯しましょか。

西・吉・萩:カンパーイ!

萩:これは「桃」ですね!

西:そうなんです。「桃ヴァイツェン」です。milestoneTERADACHOで扱っているビールは、箕面ビールさんのビールをオリジナルラベルで販売させてもらってるんですが。

吉:ペールエールとW-IPA(ダブルアイピーエー)とおさるIPAの3種類ですね。

西:今回、口コミがありまして「箕面ビールの桃ヴァイツェンが美味しいよ」と。それならってことで箕面ビール社長のかおりさんに仕入れられるか訊いてみたんです。そしたら数量限定の製造ですけど、今ならいけますよとのことでしたので、少量ですがお店の方で販売することにしました。

吉:この「おし!マイ」が配信される頃まで残ってますかね?  

西:追加ケースも発注しているので大丈夫かと。是非一度お試し頂ければ。←  完売しました

 

・攻めて正解

 

西:ビールの話はそれくらいにして、今日の本題は何でしたっけ?

吉:今日はですね、ウィンドシェルのオニオン・フーディから新色が出ます。定番のポーラーホワイト、ブリティッシュグリーン、そしてソリッドブラック。この3色に加えて、新しく入って来るのが、ドるるるるるるる(ドラムロール音)、じゃん!

西:「カリフォルニアオレンジ」で御座います。サンセットブルーバードを思い出すようなカラーですね。

萩:サンセットブルーバード

西:ロサンゼルスにある夕陽が綺麗に見える大通りですね。谷町筋みたいな? いや、御堂筋かな(笑)東京で言うと表参道とか青山通り?みたいな、もしかしたら国道246に近いかも!?

萩:絶妙な色ですね。

吉:ピンクでもなく、コーラルオレンジとも違う、何とも言えない良い色になりました。milestoneは落ち着いたアースカラーが多いイメージですけど、今回は割と目立つ色になりましたね。

西:ちょっと攻めたね。ホンマは最初、茶系でいこうとしてたんよ、ベージュみたいな。既にある定番3色が落ち着いた色目やし、そこに茶系入れてもハイハイって感じになってしまうから、これはバチーンと来るような差し色が良いんじゃないかということで。

吉:最後に変えましたね。置きに行くのは止めようと。

西:攻めて正解やった。ファスナーとパイピングの色をグレーにして、ロゴもシルバーにして統一感が出たね。男女問わず着れる色ですね。

吉:もちろん女性が着たら、めちゃくちゃカワイイと思います。

萩:すいません、定番3色以外に、あと2色ありませんでしたっけ?

西:サンセットイエローとストームブルーのことですね。それは2024年のシーズナルカラーで御座います。

吉:この2色は現状、既にサイズ欠けもしてますが、在庫がある限りの販売になります。定番3色に関しては、今在庫がほとんどないですけど、全サイズをバチっと揃えます。

そして今回はXLサイズも生産しています。もう一つ大きいサイズないですか? って店頭でも言われた経験があったので、そういうお客さんの顔を思い浮かべながら作りました。

西:つい先日お店に来てくれたお客さんに、試しにXLのサンプルを着てもらったら、「ちょうどや~!」って大変喜んで頂いて。体が大きいとなかなか合う服がないっていう悩みもあるみたいで「発売されたら買いに来ます」って言うてくれたくらいで。

吉:これまではXSからLまでの4サイズだったんですけど、デイブレイクシリーズでXLを作ってみて、需要があるということに気付きました。今後milestoneとしては、XLサイズもどんどん展開していきます。早速、ナッティ・ショーツもXLが上がってきます。

吉:オニオン・フーディは一旦完成はされてるんですが、これまでもXSを追加したり、小さな改善は加えていってるんです。

西:わからへんぐらいのマイナーアップデートを重ねてるよな。裾をちょっと長くしたり、袖丈を長くしたり、そうやってマイナーチェンジを繰り返しながら、定番として継続してます。

萩:オニオン・フーディの開発の詳細は「おし!マイ」のバックナンバー(第4回「世界は玉ねぎ?」前編後編を読んでもらいましょう。

 

・慣習より愛着

 

吉:普通はアパレル業界だと、シーズン頭に商品を出して、セールがあって、在庫がなくなって、また新しい商品が入ってくるみたいな、サイクルを繰り返していて、アウトドアのメーカーでもアパレルラインに関しては、一般的なファッションのアパレルと同じような動きをしてるとこが多いんですけど。

西:なるほどね。そういうのも全然知らないからね。

吉:うちはちょっと違うぞ、という話をさせてもらおうかなと思うんです。

西:僕らはマスターピースたるものを作って、それを長く販売していくスタイルだよね。本当に良いものを作るためには時間も掛かるし、素材選びも形もこだわって、納得したものを世に出してるつもりでいるんです。だから、それをもう売れなくなったからセール出してってことは一切しないし、大事に大事に販売して、また新しい色つけ加えて、横にちょっとずつ広げて試してみて。反応が良かったらちょっと足して、って感じでやってるよね。

吉:僕は元々アパレル業界に20年いたんで、そういうファッションの畑で育ったんですよ。だからmilestoneに入って、すごく新鮮だったんです。一つ一つの商品に対して愛着を持ってるし、その商品を見切るつもりがないから、自分の子供みたいに名前を付けるし。色にも名前つけたりっていう愛着を西岡さんから感じて、それが嬉しかったんですよ。

そっちの畑にいた時はマーチャンダイザーと呼ばれる商品戦略全体を考えるっていうポジションにいたこともあるんですけど、そうすると見切るのが前提なんですよね。こんなものが作りたいから、良いものが出来たからっていうよりも、春夏と秋冬でシーズン毎に展示会をするから、それに向けていくらの売り上げを取らないといけない、これだけの売り上げを取るには、何個商品を作らないといけない、例えばTシャツは去年15型を作ったから、今年も15型は絶対要りますとか。ていう枠が最初から決まってるんですよ。

西:なるほど。

吉:別に作りたい作りたくないじゃなくて、作らねばならない、なんです。

西:マストなわけね。

吉:それに合わせて企画もしてるし、逆に言うとそれだけ新しい商品を生み出すと、後ろがつっかえるんで、過去の製品は基本的に見切るんです。定番としてどれを残すかだけを決めて、それ以外は全て見切られてセールへ行く。消化率が悪かったら、3割引きが5割引きになって、最後はファミリーセールで償却みたいな。

吉:正直このサイクルって、どうなんやろうって思ってたので、milestoneみたいなやり方もあるんや、これなら無駄がなくて良いなと思いました。特に今の時代にも合ってるんじゃないかなって思います。

西:そうね、だってほら、新しい色が出たから、前の色が安くなるって普通に考えたらおかしくない? 素材も全く同じもので、前の色の方が良い人だっているわけでさ。その子の役目を全うしてもらいたい。あんた売れないからもう4割引き、とかじゃなくて。定価で買った人はどない思うよって話でもあるからさ。

吉:ちょっと内情をぶっちゃけると、別にmilestoneの商品それぞれに対して目標販売数も販売額も目標消化率もないんです。目標がないと言われたらそれまでなんですけど、でもね、それを達成するためにとか、達してないから見切るとか、そんなことはしないから、

ほんまに子供と一緒やなと思って。優秀じゃないから捨てる、とかないじゃないですか。

そういうところがすごくいいなと思って。1個1個の商品にやっぱり愛着が湧くなって思います。自分が企画したデイブレイク Tシャツが、最初ホンマに売れなくてすごく悲しい思いをしましたけど(笑)今ようやくシリーズになって、「これメリノのTシャツなんや」って、少しずつ認知され始めてます。そんな遅咲きの子もいるし。

西:そうそう。全てがスマッシュヒットになるわけではなくて、遅咲きの子も最初から花が咲いている子も含めて、いろんな性格の子をmilestone全体としてバランス取れば良いと思ってます。

吉:ダイバーシティですね(笑)

西:さっき吉田君が言ったように、メーカーが小売店さん向けにやる、B to Bの業界の展示会っていうのが年2回あるんですよ。SSとFW(AWともいう)。つまりSpring&SummerとFall(Autumn)&Winterとその時期に発売する新製品を発表するために、お客様であるお店から注文を取るんだけれども、milestoneはそういう展示会には出てないんですよね。理由としては、僕たちは展示会に向けて商品を作っているわけではなくて、自分たちが欲しいなと思ったタイミングで、物を作らせてもらってるんですよね(笑)気まぐれと言われれば、そうかもしれないけど、なんせ僕ら2人でやってるから、ペースとかタイミングがそこにはまっていかないんよね。お取引先様からは、たまにお叱りを受けるんです。現物見てないのに注文できへん。メールの連絡で済まそうと思うなと(笑)

吉:それぞれの小売店さんって、去年Tシャツが何枚売れたから、今年なんぼTシャツ売るぞって決めると思うんです。いろんなメーカーがある中で、例えば10型Tシャツを仕入れるぞと思って、展示会で10型Tシャツを注文したのに、1週間後ぐらいに「Tシャツこんなん出来ました!」ってmilestoneから連絡が来るわけですよ。“もう予算の枠使っとるがな!”、ってなりますよね。というのは、結構怒られます。

西:もっと早よ言うてくれと。

吉:何かやってるなら、やっとると言ってくれと。

西:そうやって叱られたりもするけど、なかなか行けずで…  それでも我々の製品を取り扱ってもらえるというのは本当に有難いです。聴いてくれてる方もいらっしゃると思いますので、この場を借りて厚く御礼申し上げます。いつもありがとうございます!!

西:営業に行けたらええんやけど、2人で企画開発から全てやってるから。そのサンプルが出来たら今度、撮影にも行かなあかんしな。

吉:フェイス to フェイスで会って喋るのが一番なのは、もちろん分かってるんですけど、商品説明の動画を作ったりして、できるだけ小売店さんには僕らと同じ気持ちで商品を売っていただきたいので、 新しく生まれた子供達について、カメラに向かって説明しています。

西:それで何とか今のところやらせてもらってるし、うちはセールもしないから、お店の方々にも、ご迷惑をかけることもなく、定価で販売していただけるし、そういう意味では、いいのかなと思ってやってる感じですね。どんどん新商品を開発してますよ、今年もいろいろ。

吉:先に情報ちょうだいって言ってくれはるんだけど、なかなか最終的に製品になるかどうかわからないから、今子作りしてます(笑)っていうのは申し上げにくいんですよね。この年内で、決まっているところで…

西:それ言っちゃうんすか、その次のネタじゃないですか?

吉:これを聴いてくれてる方へのサービスということで、言える範囲で。

西:じゃあ、どうぞどうぞ。

吉:まずオニオン・フーディが出て、その後、10月ぐらいの予定で昨シーズン好評だったファスト・トレイル・グローブを再販します。

西:未だにグローブの問い合わせはありますからね。

吉:あと、昨シーズン完売しちゃいましたクラウド・フーディ。新しい色を開発中です。

西:デイブレイク・シャツも新色が出ます。靴下も新しいものを開発中です。年内はそんな感じかな。

 

・活動?休息?

 

萩:あと最近、水曜日は仕事せず遊んでるらしい、って聞いたんですけど(笑)

吉:アクティブ・レストですね。

西:机の上で仕事をするっていうのも大事なんだけども、吉田さんとは、どこか山に行く途中だったりだとか、実際に走りながら、仕事の話をするんですよ。結構そういうときに良いアイディアが浮かんだりすることが多くて。

西:ムーンライトギア大阪のメンバーと仲良くさせてもらって、一緒に山へ行った時に聞かせてもらったんだけど、すごく面白い働き方をされてて。一年のうち、閑散期の1月と2月が全部休み。会社として北海道で合宿して、あとは家族で過ごそうがプライベートでどこか行こうが好きに。3月から12月までの10ヶ月間を1年として頑張りましょうと。あと毎週水曜日を“農の日”にして、畑で作業してる。前から仕事も遊びもリスペクトしてたから、働き方改革じゃないけど、うちも取り入れて毎週水曜日をアクティブ・レストとして山に行こうと。そこで走ろうが登ろうが釣りをしようがいい。我々は遊びを提案する仕事だから、率先してアクティビティをして情報発信すれば、それは仕事っていう考えになったわけですよ。

西:9月に今年のメインレースがあるので、今は走ってるけど、それが終わったらまた釣りに行こうかと。

吉:7月はだいぶ釣りに行きましたね。

西:おかげ様で、めちゃくちゃ釣りにハマりました。

吉:大きいニジマスを釣ってはりましたからね。

西:山波商店代表の岸名さんに鳥取まで連れて行ってもらって、46センチのレインボートラウトを。

知ってる方も知らない方もおられると思うんですけど、わたくし実は、釣具メーカーの3.5代目でして。そのくせ釣りにそこまで深入りしてなかったんです。もちろん、太刀魚とかアジとかアオリイカとか、シーバスも含め色々やっては来たんですけど、そこまでハマらなくて。でも今回の渓流釣りはキタな、と。我々山が好きで、登ったり、走ったりする体力はあるわけで、そんな山にしかいない魚がいるなんて、鮎くらいしか知らなくて。

西:水曜ぶどう坂練の仲間が、イワナやアマゴやテンカラやと言い出して、なんとなく聞いたことあるなとは思ってたけど。自分で初めてフィッシングエイトへ渓流ロッドを買いに行きました。うちの取引先ですよ。いつもお世話になってるんですけれど、今はユーザーとして会員になって頑張ってポイント貯めてます。

吉:これはハマってる(笑)

西:行ったら楽しいよね(笑)いろんなルアー見たり、ラインもナイロンとフロロとかPEとかいろいろあるんだけど、今まで全くそんなん興味無かったけども、いろいろ試してるところで。ここでハマれたのは良かったなと思って。釣具メーカーの息子に生まれてるんだけども今はmilestoneというブランドをやってて。

西:わからへんよ将来、もしかしたら竿やルアーが出るかも。それぐらい本気で面白いなと思ってるし、空いてる時間があったら行きたいし、そういう時間に、水曜日は充てたいなと思ってます、9月の末まで。

吉:渓流釣りは9月の末までですからね。それ以降はまた走ったり、山に行くかもしれないですし。西岡修平が何かにはまると、その周辺のアイテムが充実してきますから。西岡さんがトレランをがっつりやりだしてから、ナッティ・ショーツもオニオン・フーディも生まれたし。本気でファストパッキングが面白いってやりだしてからデイブレイク・シリーズが生まれたし。それが何よりも商品開発の源ですね。

萩:グラベルバイクも乗って(笑)

西:だからね、もうどんどん遊ぼうと。

吉:7月は釣りメインのアクティブ・レストして、8月は毎週水曜日40キロ弱走ってるんで、アクティブ・アクティブですね。

西:レストじゃないね(笑)つい先日もめちゃくちゃ暑かったよね。お風呂屋へ行って体重計に乗ったら過去最軽量で、びっくりして。どんどん遊びをしながら、新製品の開発をする機会として活かせてるよな。

吉:そうですね。そう思います。

萩:道中がミーティングの時間にもなるし、商品テストもできるし、撮影もできるわけですね。

吉:あと同業で水曜日が休みのところもあったりするから、一緒に釣りに行ったり山に行ったり出来るのも良いなと思ってます。

西:そうやって皆さんに助けられながら、水曜日にお店来たけど閉まってたっていうお客様もいらっしゃるけれども、ご理解頂ければと思います。カレンダーをアップしてるんですよ。インスタグラムでmilestone TERADACHOのアカウントが、実は御座いまして、知らない方も多いと思うんで、是非こちらもフォローして頂けたら有難いです。

 

@milestone81_official は、新製品について『モノ』のお話をしてるんですけれども、

@milestone81_teradacho は、お店の情報やイベントなど『コト』についてアップしてます。この日は定休日ですよ、ジョギングクラブやってますよ、今月はこの日に週末営業してますよと発信しています。

吉:インスタグラムやってない方はホームページの方にも、営業日カレンダーをアップしてますので、是非チェックしていただけたら。

西:今回も長時間、皆さんお聴き頂きまして、ありがとうございました。

吉:いやあ、アウトドア・アクティビティって、本当に良いですね。それではまた来月。

西・吉・萩:さよなら、さよなら、さよなら。

 

今回は新色情報からmilestoneのものづくり、働き方について教えてもらいました。名前を付けるところから売り方の姿勢も含めて、一つ一つのアイテムに対する愛着を感じますね。

先日、北アルプスの縦走へ行ってきましたが、風を通すデイブレイクシャツが調子よくて、日差しを遮りつつも熱がこもることなく、下山までずっと着ていられました。

今後の新色、新商品も楽しみですね。ではまた来月。

 

文・構成/萩原 健

 

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