第25回:おしえて!マイルスト~ン「雨に気持ちを上げるもの」
2025/01/26 UP | POSTED BY milestone
この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた二人(西岡&吉田)の話を(#水曜ぶどう坂練 を一緒に走っている)ライターの萩原が聴いて、深堀りしていく架空のポッドキャスト番組です。
・点数を付けるなら?
西岡(以下、西):新年あけましておめでとうございます。
吉田(以下、吉):おめでとうゴザイマース(「ザ」を強めに)
萩原(以下、萩):今年もよろしくお願いします(笑)その抑揚は文字で伝わらないからね。
西:2025年が始まりましたけど、オンエアされる頃には1月もだいぶ経ってますね。収録してる今日は1月7日なんですけど。
吉:先ほどチキンハート(東京のランニングチーム)の方が買い物に来てくれたんです。店舗限定のアイテムも「知ってます。インスタもいつも見てます」って。帰り際に「おしえて!マイルスト~ン」も読んでますって言ってくれたので、ステッカーをお渡ししました。
西:嬉しいね。聴いてますかあ?
萩:有難いですね。
西:続けるって難しいけど、カタチにして残していくことがいかに大切か。2024年は本当に良い一年だったんですけど、締めくくりとして10周年記念カタログが年末にビシッと納品されたわけですよ。既にお手元に届いてる方もいるかもしれないですけど。
吉:オンラインで購入して頂いた方には同梱させてもらってます。
西:発送してるので、お近くの取扱店さんでも見て頂けるはずです。10周年記念の冊子を作りたいねん、どんなんにしようってゼロの状態で吉田さんと萩さんに言ったと思うんですよね。
吉:そうでした。ノース・フェイスさんやパタゴニアさんの50周年記念の分厚い冊子を見ながら、夢を膨らませてましたね。
西:10年という特別な年だから特別なものにしたいと思ってて。「おしえて!マイルスト~ン」という良いコンテンツがあるから、そこから知ってもらいたい10個のエピソードをピックアップしてます。ここに継続が大事っていうことが反映されてるんですよね。milestoneをより一歩深く知ってもらえるし、活かせて良かったなと思うわけです。
吉:出来上がったものを見たら、もはやカタログではなくて、雑誌っぽくというか読み物になってますよね。
西:そうですね。僕なんか国語が苦手で、なかなか文章にするのが難しくて。
吉:日本語は第二外国語ですからね(笑)
萩:第二は言い過ぎちゃいます?(笑)
西:アニョハセヨ~。いろんな外国語が好きなんです(笑)いつも「おし!マイ」を読んでくれてる方はわかってくれてるとは思うんですけど、僕達はただ喋ってるだけなんです。それをハギが文字にしてくれてます。
10周年記念カタログでは、まず、過去10年のカタログ撮影の中で思い出深い写真を10枚選んで載せました。10周年だから「10」って数に掛けてるんです。そして、もう一つやりたかったことがありました。10年目の今、僕が刺激をもらったりリスペクトしてる10人の写真を撮って載せたい。せっかくなら写真だけじゃなくてそれぞれの方の話も載せたい。撮影の時にiPhoneで録音すれば、ハギがカタチにしてくれるだろうと。
吉:ロングハイカーもいれば、もちろんトレイルランナーも。アウトドアメーカーの代表もいれば、カメラマンも。イラストレーターもいたり、だいぶ多岐にわたってますね。
西:それは10年間の中で自分自身が築いてきた関係性があってこそだなと思ってます。10人の方に三つの質問をしました。一つ目は、あなたにとってこの10年間はどんなものでしたか。二つ目が今後10年どうしたいか、どうなりたいか。最後三つ目は、あなたにとってmilestoneというブランドはどんなイメージですか。皆さんいろんな角度から語ってくれて、すごくいいインタビューになったなと思ってます。僕はただただ喋りながら、写真を撮って、音声データをハギに投げただけなんですけど。
萩:公園で録ってる環境音や横から他の方の声が沢山入ってたり(笑)かなり楽しませてもらいました。音声を何回も聞き直してると、直接知らない方も親しい知り合いみたいな気がしてきます。
西:通常のカタログ制作は基本的に僕が写真を撮って、河崎Kくんがレイアウトして中島さんが写真を加工してくれるという3人でずっとやってきたんです。今回は吉田さんも修正やチェックを入れてくれて、「おし!マイ」チームで作り上げられたのは良かったなって思ってるんですよ。
吉:いや、大変でしたよ。
西:ほんま大変だったし、ようできたなと思って(笑)ほんまに出来るんかなって。目標は年内に納品したいっていうのは言ってたやんか。タイムリミットを設けた上で、今出来ること全てを出し切ったコンテンツに仕上がったんじゃないかなと思います。なので点数を付けるなら僕の中では、65点です。
萩:思ったよりも低い(笑)
西:言うてみただけです(笑)もちろん、120点ですよ。
吉:200点満点中?(笑)
西:下がっとるやん(笑)ハギは実は印刷業界で働いていて、すごいご縁なんですけれども、milestoneのカタログvol.1からハギちゃんの会社でやってたんです。うちは広告代理店が間に1社入ってて僕はその担当者とやり取りしてたんですけど、その先の印刷はハギところでやってたんよね。
吉:知り合って最初は知らなかったんですよね。
西:「このカタログ印刷してるの実はうちなんです」って聞いて。
萩:会社の隣の席にmilestoneのカタログの色校正があったのでアレ?と思って。先輩が言うにはずっとうちで印刷してると。その方は三年前に定年退職されたので自分が引き継ぎました。
吉:すごい偶然やね。
西:まさにご縁とタイミングじゃない?
吉:10周年は一緒に中身のテキストまで。
西:今回のサイズとか紙厚もこれぐらいがいいんちゃいますかって提案してくれて。
吉:結局、宅急便コンパクトに入らなかったんですけどね(笑)
萩:入らなかったんですか?!(笑)
西:オンラインのお客様に送る時はネコポスサイズとコンパクトと袋の三パターンがあって、コンパクトには入るつもりだったんですけど、上がってきてから入らんやんって(笑)なので一部のお客様には送れてないこともあるかもしれないんですけれども、ご了承ください。
吉:送れてなかったらハギのせいやね(笑)
萩:おかしいな(笑)A4サイズ以内ならOKって聞いたはずなのに。
西:今回は60ページで厚みもあるからね。毎年制作してるカタログはA5サイズなんです。当初は10周年記念冊子はカタログとは別で進めようとしてました。毎年出してるカタログはもちろん無料でお配りしてるんですよね。この10周年記念カタログはそれなりのコンテンツにして、紙質もこだわってページ数あるなら有料にすべきかってことも考えたわけ。
萩:もっと大きいサイズや別の紙の話もしてましたもんね。
西:じゃあ何部作るかって話になってくるやん。いくらで買ってもらうのかを考え出したら悩みに悩んで。お金はかかるけど10周年の記念であるわけだし、僕らを知ってもらう名刺代わりになるわけです。僕がすぐに行けないような、例えば北海道の店でも1人歩きしてくれるわけやんか。そこにお金を出してもらうのはちょっと違うかなと思って。それなりの部数を作っていつもと同様に無料で配布する方が良いと気持ちを切り替えました。製品カタログと10周年記念冊子を合体させて沢山作ろうと。どうでしたか?仕上がりは。
萩:カタログというよりも、ずっと残して置いておきたい「本」になりましたね。名刺って言うてはりましてけど、顔写真入りの名刺ですよね(笑)
西:恥ずかしながら(笑)milestoneのカタログはいつも僕が撮ってるわけなので、自分が被写体になるってことはまずありえないんですよ。表紙はいつもどうしようかデザイナーのKくんと相談するんですけれど、信越五岳トレイルランニングレースを走った時の写真があって、どこかで使えるかなって。
吉:ちょうど去年2024年の写真ですもんね。
西:オールスポーツさんはみんな知ってると思いますけれども、いろんな大会のコース上でカメラマンさんが写真を撮ってくれるやつです。レース後に自分のゼッケンナンバーを検索すると、写真が見れて購入するシステム。信越の後に自分のゼッケン250番を検索したら、めっちゃいいやんと思ったのがあったので完走の記念に購入したんです。デザイナーと打ち合わせしたときに、こんなんもあんねんって見せたら、めっちゃいいですやんって。購入したから使ってええもんやと思ってたんです、著作権的な話。でもカタログやし、後で何かあっても嫌だから、一応オールスポーツさんに連絡してこういう用途で使いたいと。そしたら、元データ買ってくださいと。
吉:快くって話じゃなくて?(笑)
西:こういうブランドでして、我々の記念すべき10周年記念カタログやから、ちょっと検討してもらえませんかって言ったんですよ。その窓口の方は我々のことを知らなかったんですけど、電話で説明したらうちのホームページ見てくれて「すごい素敵なサイトですね。ちょっと上司に確認します」と。すぐ折り返しの電話があって「失礼しました。写真使ってください」と。有難う御座います、クレジットを入れさせてもらいますということで使わせてもらえました。結果的にはすごくいい写真で。エンディングのところには吉田さんと僕が2人で並んでます。俺が苦しんで「吉田くん、肩貸してくれへんか」言うてたところですね。
吉:そうですね。ここでレンタルショルダー屋「肩屋(カタヤ)」を開業しました(笑)
西:懐かしくてフラッシュバックするわ。ほんまにしんどかったからリタイアしようと思ってたけど「行きましょう、行きましょう」って肩貸してくれて、何とかゴールできたんです。
萩:決定的瞬間をちゃんと押さえてくれてたんですね。
西:オールスポーツさんに本当に感謝の限りですね。この場をお借りしてお礼を申し上げたいなと思っております。聞いてますかあ?
ということで10周年記念カタログができたばっかりのほやほやです。お近くの店舗かうちのオンラインショップで手に入れてください。milestone TERADACHOに来ていただければ、たっぷりあります。一つだけ、100点満点の65点だと言った理由は、私がQRコードを間違えまして、そのミスがあまりにもデカかったんですよ。
吉:西岡さんの謝罪文と直筆サインと共に、正しいQRコードが入ってるから大丈夫ですよ。
西:カタログを手に取っていただいたら、33ページのところに紙が1枚入ってるんですけれども、私のミスでお詫びの手紙を入れてますので、それも含めて読んで楽しんでいただけたらなと思います。
吉:今日ご来店くださった方が、このあいだ西岡さんが「間違えたあ~!」とか言ってたのって大丈夫だったんですかって心配してくれてました(笑)
西:ほんまやな。発覚したのがジョギングクラブの日やったもんな。
吉:一応こうなりましたよってカタログを見てもらいました。
西:俺テンパってたし、落ち込んでたし、ため息しか出ない。もう入稿した後だったから。印刷物の制作に携わってる方はこの心境わかると思いますけども。
吉:その回だけジョギングクラブの写真のクオリティがめちゃくちゃ低いです(笑)いつもなら西岡さんも入るのに、入らんでいいからって言うし。カシャって入魂の1回じゃなく、カシャカシャ5回くらいシャッター押して、次行こうって。
西:大変失礼いたしました。でも良いカタログが出来上がったんで、この記事がアップされる頃にはレインウェアも発売になるので、カタログを同封できるかなと思います。是非チェックしていただければと思います。
・いちばん着たいもの
西:前置きはこのぐらいにしまして、今日の本題は何を隠そう、レインウェアの話です。商品名は?
吉:UP-SWING Rain HoodyとRain Pants です。
西:我々milestoneがついにレインウェアを出します。レインウェアと言えば、だいぶハードル高くない?
吉:技術的なレベルもね。
西:レインウェアは値段的にも高価なもので、しょっちゅう買い替えるものでもないし、品質が伴っていないと雨具としては使えないわけですから。実際に自分自身も山を走るようになって、色んなレインウェアがあるんだなっていうことに気づいたんです。吉田さんといろいろテストをしながら、色んなメリットやデメリットを知って経験して、ようやく近日発売というところまで辿り着きました。
吉:ようやくですね。1年以上掛けてますもんね。いちばん大変だったのは生地かな。
萩:いろんな生地がある中で、何を選ぶかってというところですよね。オンラインサイトには既にスペック情報が出ているので、その辺りを詳しく教えてもらいたいんですけど。
吉:まず、生地は「3レイヤー」です。1枚に見えますけど、3層になってます。表地と裏地があってその間にメンブレンと呼ばれるフイルムみたいな防水透湿素材が挟まっています。「2レイヤー」や「2.5レイヤー」もよく聞くと思うんですけど、裏地が無い2層のものを言います。
萩:2レイヤーだと肌に貼りつくので、表面に加工してるのが2.5レイヤーでしたよね。
吉:裏地が無いと軽いんですけど、耐久性や着心地で劣るかなというところで、3レイヤーで生地を探し始めました。「表地20D/裏地7D」とあるのは、数字が大きければ大きいほど糸が太くなるので、生地が分厚くなるんです。分厚くなると重くなる。今は割となんでも軽い方が良しとされるいわゆるウルトラライトのトレンドがあるので、僕らも最初は表も7D裏も7Dという生地を選んだんですよ。これが今のところ存在するたぶん業界でも一番薄いもの、つまり一番軽いんです。そして、その糸が細ければ細いほど値段も高いです。最高のものを作ろうと思ってたんで、高級な生地でサンプルを作りました。
西:そしたら、すごい寒かったんよ。雨の冷たさを感じるみたいな。
吉:それは何でなんやろう?ってところなんですけど、3レイヤーの真ん中のメンブレンには大きく分けて三つの種類あるんです。「ナノファイバー」と「親水性無孔膜」と「疎水性多孔膜」。この話、めっちゃマニアックやけど良いですか?
西:こっちは深く掘り下げていこう。最近始まったポッドキャスト番組「週間マイルストーン.com」は浅く広くやけど(笑)
吉:最初に選んだのは「ナノファイバー」でした。
萩:そして最終的には「親水性無孔膜」を選ぶことになるんですね。難しいのを覚悟して聞きます。
吉:説明しやすいので、まず「疎水性多孔膜」から説明させてください。疎水なので水を嫌う性質があります。そしてそのフィルムに多孔なので無数の穴が開いてるんです。その穴は外からの雨が当たっても染み込んでいかないくらい小さい穴なんですけど、体から出てくる蒸気は通り抜けるんです。
萩:雨は水だけど、水蒸気は気体でサイズが小さいから抜けていくということですね。
吉:その仕組みで防水と透湿を行ってます。次に「親水性無孔膜」っていうのは、逆に穴は開いてないんです。水分を吸ってフィルムに溜めてから、外側に蒸発していく仕組みなんです。
西:構造はわかりました。じゃあ「疎水性多孔膜」のメリットとデメリットは?シンプルに。
吉:「疎水性多孔膜」メリットは抜けが良くて、透湿性が高い。それは良い意味でも悪い意味でも。デメリットは穴が沢山空いてるから強度的に生地が薄くできない。でも、一番抜けが良いのは、これから説明する「ナノファイバー」なんです。「疎水性多孔膜」はどちらかというとバランス型。「ナノファイバー」は細かい糸が織り重なったシートみたいな構造なんです。
萩:ファイバーだから繊維ってことですね。
吉:隙間が沢山あるから透湿というより通気するんですよね。メリットはすごく抜けが良い。逆にデメリットは保温性が低い。防水性や耐水性も低いです。
西:「ナノファイバー」を使ってるのは?
吉:パーテックスシールドエアーです。パーテックスさんの生地の構造で分かりやすく説明すると
パーテックスシールドエアー ・・・ 「ナノファイバー」
パーテックスシールドプロ ・・・ 「疎水性多孔膜」
パーテックスシールド ・・・ 「親水性無孔膜」
となります。milestoneのUP-SWINGシリーズ はこの「親水性無孔膜」に当たりますね。
西:「親水性無孔膜」という構造は一緒だけど、生地はパーテックスとは違うものです。
吉:サンプルを使ってみて「寒い」と言ってたのは、「ナノファイバー」だったんです。工場の方も呼んで試験をしたんですけど、ホースで水掛けると触っても膜があるから濡れないんですけど、めっちゃ冷たいんですよ。
西:じゃあ「親水性無孔膜」のメリットとデメリットは?
吉:温かいというか保温性がある。めちゃくちゃ強度の高い動きをすると、ひょっとしたら蒸れるかも。メリットは薄くできる、つまり軽くなる。
西:あんまり蒸れを感じたことはないけどな。実際に着て動きながら防水テストもしました。どこからから漏れてへんかなと徹底的にフィールドテストしまくって。土砂降りの中を2時間歩き続けて、大丈夫やなって感じました。胸ポケットのファスナーの頭から漏れてるのに気づいて、水が入らない設計に修正しました。
吉:実際に出来上がってきて、去年の信越で二人一緒に着て走ったんですよ。たまたま土砂降りになったので。周りには低体温症になる人もいたんですけどね。僕らは進みながらお互い「ぬくいな」って言いながら雨も寒さもしのげたので、この生地にして正解だと確信しました。
西:フィールドで二人一緒に同時に感じられたのが良かった。信越はほんましんどかったけど、仕事の話をしたら俺は元気になるから(笑)そこで共通認識が持てて、これでGOを決めたな。
吉:生産も終わって到着を待つのみですね。パターンやカタチは動画を見てもらうのが分かりやすいかな。
西:トレランザックの上から着れるっていうのは大きな特長です。
萩:背中にタックが入ってますね。腕も振りやすそう。
吉:トレイルランニングに特化というてますけど、僕はファストパッキングにも積極的に使おうと思ってます。だだ、最初から何にでも使えるようにってデザインしようとすると、全部が中途半端になってしまう。だから、基本的にはトレイルランニングの100マイルやロングレースを走る時に自分達がいちばん着たいと思うものを作りました。結果的にはそれ以外のアクティビティも色々使えるなって感じです。
西:柔らかいし伸びるし、しなやか。フード被って走ってるとシャカシャカ音がするのは、すごくストレスやけど、そんなんは無いし。
吉:伸びるのは、くるくるっと収縮するような糸を使ってるからなんです。ナイロン100%なんですけどストレッチします。メイド・イン・ジャパンの生地です。
西:メイド・イン・石川県やね。実際に工場に行って糸をどう作っていってるかっていうところも見て、一緒にもの作りしてるっていうのを感じました。現場の動画も見てもらえたらなと思います。
吉:説明動画でも言うてますけど、腕は立体裁断。手の甲は長めにして、指が出せるサムホールを付けてます。指を出さない時は雨が入らないように閉じてるようにしてます。オニオンフーディとはそこは形を変えてます。
西:フードのツバに芯が入ってるのも良いよね。
吉:レインパンツの裾のファスナーは長めにしてて、靴を履いたままでも脱ぎ着が出来るようにしています。ウエストはワンタッチで、ゴムで調整できるように。パンツのシルエットは登山用だと、もっと太くても良い気もしますけど、太いと走りにくいので。
萩:レースなら短パンですもんね。
吉:ナッティロングやデイブレイクロングパンツの上からでも全然履けます。使わない時は上も下もどちらもパッカブルにすることが可能です。レースのレギュレーションでザックに入れてることも多いですし。今回の商品名の名前の由来は?
西:ジャズのジャンルで、ビバップとかフュージョンとかスイングとかあるんでね。今回はそこからモジって、アップスイング。上昇していくとかって意味なんですよ。雨が降ったトレイルでも、このアップスイングを着て気分を上げていこうやないかと。
吉:2025年の一発目にアップスイングでいこうと。色名については、動物や鳥シリーズというわけではなく。
西:グラファイトブラック、セージグリーン、アイスグレーの3色ですね。全部いい色に仕上がってると思う。
吉:黒でさえ別注色で真っ黒じゃないんです。ちょっとグリーンっぽいんです。
萩:ナッティロングの黒と比べると全然違いますね。
吉:ボトムはグラファイトブラック1色だけなんですよね。上の3色どの色とも合うようにしてます。
西:パンツで1万6000円ってほんま、なかなか頑張ってると思わへん?
萩:上着で税込みでも3万円を切ってるのも、ちょっと無いですよね。
吉:重さは上下合わせて300g以下(XSサイズ)ですから。かなり軽いです。サイズはXSからXLまで5サイズ展開です。
西:是非フィールドで皆さんに試してもらいたいです。今回は動画が4本あるんです。
1)監督に撮ってもらってるプロモーションビデオ。
2)糸を作ってる工場でどのように出来上がっていくか工場密着映像。
3)私と吉田さんが二人で喋っている商品説明動画。
あとは4)プロモーションビデオに協力してくれたウルトラランナーのさやぴと王子の2人を交えての制作秘話的座談会。
この4本のうち、今のところYoutube上で一番再生されているのは3)の商品説明動画でした。
吉:カタログにも書いてますけど、僕らはこのやり方でやっていくのが良いかなと思います。一つずつ大事に作って、生まれてきた子供にちゃんと良い名前をつけて、その子が大きく育っていくように手塩にかけて魂を込める。手間隙かかりますけど。
西:急いで展示会に向けて作らなあかんっていうのではなく、自分のペースでやらせてもらえてるっていうのは凄く有難いよね。
萩:自分達が納得できるところまで突き詰めてるってことですね。
吉:商品開発は無期限なので(笑)
西:だからこそ良いものが出来ると思ってるし、それはお客さんも着用してくれたら感じてもらえるんじゃないかなと思ってます。2025年の「おしえて!マイルスト~ン」も引き続きよろしくお願いします。それでは。
西・吉・萩:さよなら、さよなら、さよなら。
今回は10周年記念カタログとレインウェアについて教えてもらいました。新しい年の初めに、自分の10年先を楽しく想像してみるのも良いですね。ついでに、もし20周年カタログがあるとしたら、いったいどんな10人が新たに加わることになるのだろう、なんてことまで勝手に妄想が膨らみます。レインウェアを作り、リアルなポッドキャスト番組も始めたmilestoneは、これからどこへ向かうのか楽しみです。
それでは、また来月。
文・構成/萩原 健