第7回:おしえて!マイルスト~ン「Gって何のG?」前編

2023/07/25 UP | POSTED BY milestone

この連載は、milestoneのアイテムを作ってきた人(ファウンダー西岡)と使ってきた人(中途入社の吉田)の二人の話を(#水曜ぶどう坂練で一緒に走っている萩原が)聴いて、深堀りしていく企画です。

 

・新発売のヘッドランプ「MS-G3」「MS-G4」の特長

 

萩原(以下H):ヘッドランプについては、第1回「おし!マイ」(おしえて!マイルスト~ンの略)で紹介してもらったんですけど、今回は新商品「MS-G3」「MS‐G4」が発売されるということで、詳しく教えてもらいたいと思います。

早速ですけど、名前の「G」って何でしたっけ?

西岡(以下N):そこ(milestone TERADACHO 2階窓側)にも並んでるけど、2014年にいちばん最初に出したモデルが3つあって、MS-Aシリーズ(単×1本タイプ)、Bシリーズ(単4×3本タイプ)、そしてCシリーズ(単3×4本タイプ)、とモデル毎に名前を変えてて。

翌年に発売したDシリーズがランタン。Eシリーズはバッテリーが後ろにつくセパレートタイプ。土井さんと開発したMS-F1:トレイルマスター。そして今回紹介するGシリーズ。Hシリーズは乾電池と充電池が併用できるハイブリッドモデル。そして、トレイルランナーやハイカーの方が多くのフィールドで使われている長時間点灯可能なエンデュランスモデルのMS-i1。次に出るハンディライトがJ1っていう感じで、全てアルファベット順になってます。

吉田(以下Y):もう10シリーズも出してるわけですね。

N:Zまでいけば、また次の展開を考えないと。アルファベットは26あるから、、、あと16個しかない、なので2026年ぐらいまでは大丈夫かな。

Y:だいぶ開発を頑張らなあきませんね(笑)

N:冗談はさておき(笑)、このMS‐Gシリーズっていうのは、USB充電式のコンパクトタイプで、とにかく軽量モデルです。MS-G1(生産終了モデル)っていうのが300ルーメンで、シンプルで使いやすく、お買い得なモデルやったんよね。その次に出したのが、「MS-G2」。照射角度が広い400ルーメンでとにかく明るくて、白色、電球色、赤、赤の点滅、ミックス照射、いろいろな点灯パターンが選べるマルチファンクションモデル。

H:なんだか見た目がライトっぽくないですね。

N:四角いチップが並んでるのが見えると思うけど、実はこれ、LEDではなくてSMD(Surface Mount Device)と言って、LEDの一種ではあるんやけど、この形状にすることで、広角に照射できる。その代わり照射距離としては30メーターぐらいしか照らせないんよね。

逆に、今回出たMS-G3、MS-G4は、照射角を狭めたことによって、遠くまで照らせるスポット照射。だからG1の後継は、実はこちらのMS-G3、MS-G4なんよね。

アップグレードされたポイントとしては、充電方式がUSBのタイプBからタイプCになりました。これも時代の流れでどんどん今、Cに変わりつつあります。Cにしたことによって、いわゆる急速充電ができるようになった。

N:もう一つは、充電しながら使えること。G2の場合は、400ルーメンで照らし続けると最大2時間ぐらい。それが600mA(ミリアンペア)のバッテリーの容量で、電池がなくなると消えちゃいます。この子たち(G3、G4)は、電池がなくなっても、MS-i1に使ってるバッテリー(MS‐LB3:スマートモバイルバッテリー)に、Lシェイプケーブルをつなげば、”充電しながら使えますよ”っていうのが、最大のポイント。

一緒に発売したLシェイプケーブルは、名前の通りL型になっていて、挿したまま使い易くなってます。普通のケーブルやと、顔の前に垂れ下がってしまうんよね。全員が全員が要るかというとそうじゃないから、別売にしてます。

Y:ただし、充電中に使用する時の明るさは10%になります。MS-G3の場合は最大420ルーメンなので、42ルーメンになります。

H:出力を下げないと充電は溜まらないですよね。

Y:このMS-G3だけで、ほんまに縦走できるか、高島トレイル(滋賀県高島市にある全長約80キロのトレイル)を無泊でテストしてきました。自分以外はみんな「MS-i1」を使っていたんですけど、その代わりに「MS-LB3」バッテリーを2本持って。

H:肉体的にもかなりハードそうな山行ですね。

Y:結果、ずっと夜間も充電しながら歩き続けましたけど、問題もなく縦走することができました。ただ天候が悪かったんで、寒くて指がしびれたくらい(笑)

N:MS-LB3はタイプCですけど、変換アダプターがあれば、AでもBでも使えます。ただバッテリーはうちのを推奨してます。

Y:お客さんの持ってるバッテリーだと充電できないけど、純正ならできるということが稀にあるんですよ。何かの相性で。なので純正をおすすめします。

あと、バッテリーは約50gしかないんですけど、軽くするためにむき出しの電池なんです。だから、このケーブル差込口は、防水処理されてないので濡らして欲しくないです。あまり濡らすとそのときは使えても、サビてくる事があるんで。

なので、是非ジップロックに入れたり防水してほしいですね。僕自身もトレイルレースの必携品の予備バッテリーを、ザックの汗で濡れるところに入れてて、1個駄目にしました。これは要注意ですね。

 

・暗闇アトラクション

 

H:G3とG4の違いを教えてください。

N:MS-G3は白色のLEDがメインで、明るさは420ルーメンあります。

MS-G4の方はマイルストーンが推している電球色をメインに明るさ380ルーメン。

サブに白色か電球色と赤色も入れてるので、要はメインのLEDをどっちにするかっていう違い。あと本体の色は、ブルー系かブラウン系かの、好みかな。

 

メインもサブも点灯中に長押しすることで明るさの調整ができて、消えてるときに長押しでロックがかかります。ザックの中で点かないように誤作動防止で。

Y:おさらいになりますけど、milestoneが電球色をやってる理由は?わざわざG3とG4でそっくりなものを、なぜ二つ作ってるんでしたっけ。

N:第1回「おし!マイ」で話したように、milestoneはヘッドランプメーカーとしては後発メーカーで。PETZL、Black Diamond 、LEDLENZER他がある中で、どないして入り込もうかなって時に、違いを持たせるためmilestoneは電球色です、って言って来てて。

ただ、明るさ勝負のルーメン戦争に打ち勝っていくには、”ウチ、電球色なんです” だけではなかなかお客さんもついてきてくれへんから。ということで、明るさ重視の白色LEDを採用したMS-G3と電球色のスタイルを継承したMS-G4。という二本立てでやってるわけです。

その電球色は何が良いのかというと、霧が出た時に光の抜けが良くて、白色よりも電球色の方が光の透過性に長けてる。

H:光の抜けというのは?

N:霧が出た時に白い光で照らすと、白い水蒸気に反射してしまうんやけど、電球色だと光が抜けるから、視界を確保できる。

H:その電球色と白色の違いを試してみることができる場所が…。

N:そうなんです(笑)第6回「おし!マイ」で紹介した通りmilestone TERADACHOに来ていただければ、トレイルを歩く疑似体験ができるDark Roomが御座います。スモークマシーンで霧をたいて、実際にガスった時にどう見えるか、白色と電球色の違いも体験できます。

Y:皆さん楽しんでくれはるんですよ。真っ暗の中でライトの違いを説明した後に、ほんまに霧がバーって出てきて「すごいすごい!」ってなって。僕は前職、某テーマパークで働いてたんですけど、アトラクション乗って出てきたお客さんと同じ顔で出てきてくれるんですよ(笑)

N:レースで電球色に助けられたっていう声は、ほんまによく聴くし、是非、体験しに来てもらえたら。

 

後編に続く

 

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